2021 Fiscal Year Research-status Report
リソソーム代謝経路が規定する白血病幹細胞の未分化性維持機構の解明
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21K16264
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
倉吉 健太 金沢大学, がん進展制御研究所, 博士研究員 (00802901)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 鉄 / リソソーム / 白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性骨髄性白血病(AML)は異常増殖と分化不全を特徴とする悪性腫瘍であり、白血病幹細胞が存在することが知られている。我々は代謝酵素及びトランスポーター対象にCRISPR/Cas9スクリーニングを実施し、AMLの未分化維持因子を探索した結果、リソソームは鉄代謝を通じて未分化維持に寄与すること、リソソーム-鉄経路はがん遺伝子(遺伝子X)の発現を制御することで未分化維持に寄与することを明らかにした。そこで、本研究では①リソソーム-鉄経路による遺伝子Xの発現制御機構の特定を進めるとともに、②鉄結合タンパク質を対象に未分化維持因子を探索することで、リソソーム-鉄経路による未分化維持機構の詳細な解析を実施した。 実験① :Bafilomycinを介したリソソーム-鉄経路の阻害がいかにして遺伝子Xの発現を抑制するかを特定するため、Bafilomycinがactive promoter mark (H3K4me3) 及びenhancer mark (H3Ac27)の修飾レベルに及ぼす影響を調べた。Bafilomycinは遺伝子XのH3K4me3及びH3Ac27修飾レベルを減弱させた。従って、リソソーム-鉄経路は転写レベルで遺伝子Xの発現を制御すること、遺伝子Xの発現制御に寄与するシスエレメントの候補を特定した。 実験②:鉄結合タンパク質を対象としたsgRNAライブラリー作成を作成した。drop out screeningにて1次スクリーニングを行い、増殖に必須な分子を特定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子Xの発現が転写レベルであることが判明した。また、鉄結合タンパク質を対象としたsgRNAライブラリー作成を作成し、増殖に必須の遺伝子を特定した。
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Strategy for Future Research Activity |
CRISPRiシステムを用い、Bafilomycinによる遺伝子Xの発現抑制に寄与するシスエレメントを特定する。1次スクリーニングで特定した遺伝子をノックアウトし、分化制御に関わる遺伝子の絞り込みを行う。また、スクリーニングで特定した分子が遺伝子Xの発現制御に寄与するかを検討し、リソソーム-鉄経路による未分化維持機構をさらに詳細に解析する。
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Causes of Carryover |
購入予定の試薬が年度内での入荷が難しかったため、次年度使用額が生じた。 次年度に消耗品の購入に利用する。
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