2021 Fiscal Year Research-status Report
再生不良性貧血における7番染色体欠失クローン進展機序の解明
Project/Area Number |
21K16265
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
材木 義隆 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (70895747)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | モノソミー7 / 再生不良性貧血 / 骨髄異形成症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
末梢血単核球を用いたシングルセルRNAシークエンスデータを利用して、7番染色体に位置し、ほとんどすべての単球に高発現する遺伝子を検索したところ、9種類の候補遺伝子が得られた。このうち4遺伝子は日本人の32%以上でヘテロ接合性である一塩基多型(SNP)を有し、それぞれに対するジェノタイピング用のTaqManプローブとプライマーを設計した。このうち7番染色体の短腕と長腕に位置する2つのSNPでは、RNAを含むシングルセルライセートを用いたone step RT-qPCR法で、ホモ接合とヘテロ接号を区別することができた。しかしながら、-7の検出精度はいずれのSNPにおいてもFISH法を上回ることはできなかった。 7番染色体遺伝子由来の高発現蛋白に結合するモノクローナル抗体を用いて、-7症例と健常人の単球における蛋白発現量をフローサイトメトリーで比較したところ、-7症例では健常人と比べて7番染色体遺伝子由来蛋白発現量が低下していた。このフローサイトメトリー法のみでは、正常細胞と-7細胞を明確に区別することはできなかったが、蛋白発現量が低下している細胞集団をソーティングすることにより、微小-7クローン検出に寄与することができると考えられた。 再生不良性貧血患者におけるHLAアリル欠失のスクリーニングを継続し、これまで144名からHLAアリル欠失血球を検出した。これらの患者のうち骨髄系腫瘍へのクローン進展は5名に見られ、そのうち3名はHLA-A2を欠失していた。米国患者集団でもHLA-A2欠失例は、特にクローン進展を来しやすかったことから(Zaimoku et al. Blood 2021)、HLA-A2を標的とする免疫病態が二次性骨髄系腫瘍発症と関連していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症対応、育児
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Strategy for Future Research Activity |
7番染色体由来細胞表面蛋白質低発現集団をソーティングして-7クローンを濃縮したうえで、従来のFISH法で解析することによる高感度-7クローン検出法を確立し、再生不良性貧血患者集団での微小-7クローンのスクリーニングを行う。そして、微小クローンの自然経過やクローン拡大に影響する因子を明らかにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症への対応および育児のため研究に十分な時間を費やすことができなかった。期間を1年延長して研究を継続する予定である。
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[Presentation] 再生不良性貧血における詳細なHLAアリル頻度解析2021
Author(s)
Yoshitaka Zaimoku, Kohei Hosokawa, Takamasa Katagiri, Hiroyuki Maruyama, Tatsuya Imi, Hiroki Mizumaki, Takeshi Yoroidaka, Mikoto Tanabe, Ryota Urushihara, Noriaki Tsuji, Hiroyuki Takamatsu, Hirohito Yamazaki, Ken Ishiyama, Shinji Nakao
Organizer
第83回日本血液学会学術集会
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[Presentation] The Copy Number of Disease-Associated HLA Alleles Predicts the Response to Immunosuppressive Therapy in Acquired Aplastic Anemia2021
Author(s)
Yoshitaka Zaimoku, Hiroki Mizumaki, Tatsuya Imi, Kohei Hosokawa, Takamasa Katagiri, Hiroyuki Maruyama, Noriharu Nakagawa, Takeshi Yoroidaka, Mikoto Tanabe, Noriaki Tsuji, Ryota Urushihara, Hiroyuki Takamatsu, Hirohito Yamazaki, Ken Ishiyama, Shinji Nakao
Organizer
63rd ASH Annual Meeting and Exposition
Int'l Joint Research