2023 Fiscal Year Annual Research Report
肝類洞閉塞症候群における血小板活性化受容体CLEC-2の役割解明
Project/Area Number |
21K16266
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大竹 志門 日本大学, 医学部, 助教 (50813060)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 肝類洞閉塞症候群 / 血小板 / CLEC-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究のテーマである肝類洞閉塞症候群(SOS)は化学・放射線療法の合併症で、肝類洞内皮細胞(LSEC)障害に引き続く循環障害性肝障害を特徴とする。CLEC-2 は血小板のみならずLSECにも発現することから、これらの細胞に共通して発現するCLEC-2が、SOSの病態に何らかの形で関与しているという仮説をたてた。 ICRマウスにおいて安定したSOSモデルマウスを作製することができたため、200mg/g BWのモノクロタリンを投与しSOSを誘導する前にCLEC-2抗体を投与して肝障害が緩和されるかを確認した。その結果、AST値などは抗体投与でその上昇が軽減され、肝組織切片のHE染色における組織障害の度合いも軽減した。ICAM-1抗体を用いて肝類洞内皮細胞を染色したところ、その陽性率は抗体投与群で高く、脱落が抑制されていたことがわかった。局所における血栓形成を血小板に対するCD42b抗体を用いて評価したところ、切片上のCD42b陽性域は抗体投与群で減少がみられ、血小板数の低下と逆相関をしていた。さらに肝組織についてリアルタイムPCR法でPai1の発現を測定したところ、抗体投与群でPai1の発現が低下した。周辺のTGFβ-SMAD系については変化がなかった一方で、Egr1の発現が低下しており、組織低酸素により誘導されるEgr1-Pai1系の発現が抑制されたものと思われた。 肝障害時にKuppfer細胞がポドプラニンを発現することが報告されていることから、SOSモデルの肝切片におけるポドプラニン発現を確認したが、パラフィン切片、凍結切片どちらを用いた免疫染色においても、その異所性発現は認められなかった。 このことから、SOSモデルにおいてはLSECと血小板にともに発現するCLEC-2同士の結合が、血小板血栓の安定化を介して局所の血栓形成を促進し、肝障害を増悪させていると考えられた。
|
-
-
[Presentation] Measuring CD8-Positive T-Cells in the Tumor Microenvironment in Classical Hodgkin Lymphoma Using Multiplex Immunofluorescence Staining and Image Analysis: A Possible Prognostic Factor2023
Author(s)
Hiromichi Takahashi, Shun Ito, Yoko Nakanishi, Katsuhiro Miura, Masaru Nakagawa, Shimon Otake, Takashi Hamada, Takashi Koike, Kazuhide Iizuka, Yuichi Takeuchi, Kazuya Kurihara, Toshihide Endo, Hironao Nukariya, Yoshihiro Hatta, Shinobu Masuda, Hideki Nakamura
Organizer
American Society of Hematology
Int'l Joint Research