2022 Fiscal Year Research-status Report
巨細胞性動脈炎の末梢血RNA-seqによる病態病勢関連因子探索と治療最適化の検討
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21K16283
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
小林 聖未 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (20897201)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 巨細胞性動脈炎 / トランスクリプトーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者に好発する巨細胞性動脈炎 (Giant cell arteritis; GCA) は、自己免疫学的機序を背景とする大型血管炎である。本研究ではGCAを対象疾患として、全血サンプルのRNA-sequencing(トランスクリプトーム解析)を行い病勢および病態と関連のある遺伝子群を抽出することを主な目的としている。 本研究計画について、所属施設の倫理審査委員会に申請を行い、審査・承認を受け、対象例のリクルート、説明・同意文書の取得、臨床データおよび実際の血液サンプルの収集を予定通り遂行中である。初発時/再燃時と病勢安定時、および対照群のトランスクリプトームデータを比較解析することで、病勢を関連のある遺伝子群を抽出することを検討している。解析手法としては、遺伝子ネットワーク推定や機械学習の主要を組み合わせ、複数の手法での検討を予定している。 GCAにおいては診断および再燃判断時に有用な血清学的マーカーに乏しいことが現状である。CRPは有用な病勢マーカーの一つではあるが、特異性に乏しく、治療で用いられるトシリズマブ使用下では変動がマスクされるという問題がある。一般的に確定診断として浅側頭動脈の生検、補助診断として側頭動脈超音波検査やpositron emission tomography (PET) が施行されるが、実施可能な施設が限定されていることが現状である。上記の解析によって、より簡易に測定可能なバイオマーカー候補を抽出し、早期診断、再燃予測へ貢献する可能性が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象例のリクルート、同意取得、検体回収を順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
回収した検体のRNA-sequencingへ進め、解析を行う。シーケンスはテクニカルバッチの影 響を最小限とするため、検体回収が完遂した時点で一括して進める方針である。次年度中のシーケンスを予定している。
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Causes of Carryover |
シーケンス時のテクニカルバッチを最小限にするため、可能な限り、対象検体の回収が終了した時点で一括してシーケンスへの検体提出を予定しているため。
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