2022 Fiscal Year Annual Research Report
時計遺伝子を介した滑膜細胞の炎症性メディエーター産生とオートクライン機構の研究
Project/Area Number |
21K16288
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
金城 健太 神戸大学, 保健学研究科, 保健学研究員 (60897586)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 滑膜細胞 / 時計遺伝子 / 炎症性サイトカイン / 炎症性メディエーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究を通じて、TNF-α、IL-1β刺激下において、RA-FLSのBmal1が各種炎症性メディエーター(MMP-3/9, IL-6, CCL2)産生を制御していることがリアルタイムPCR、蛍光免疫染色によって明らかとなった。一方で、IFN-γ刺激やsiRNA/Bmal1によって、これらの炎症性メディエーター発現は変動せず、さらにRAの関節破壊に関連するMMP-13やその阻害因子TIMP-1/2/3はBmal1には制御されていないことが明らかとなった。これらの研究成果は、骨軟骨破壊、細胞遊走に関わる炎症性メディエーター発現、ひいては関節リウマチの関節破壊がBmal1によって広範囲に制御されることを示すものである。 (1)RA-FLSにおいて、TNF-α、IL-1βはNF-κBの転写活性を促進すること、(2)MMP-3/9、CCL2、IL-6はp65/NF-κBの結合配列がプロモーター領域に存在すること、(3)BMAL1とp65/NF-κBを過剰発現させた乳がん細胞では、CBPとの複合体形成に伴ってp65/NF-κBのアセチル化が惹起され、プロモーター領域にp65/NF-κBの結合配列を持つMMP-9の発現が亢進することを踏まえると、これらの炎症性メディエーター発現はNF-κBの転写活性と相互作用して、Bmal1が制御することが示唆される。実際に、TNF-αによって惹起されるp65/NF-κBのリン酸化と核内移行はsiRNA/Bmal1によって抑制されることを少数の予備実験で明らかにした。本研究課題の実験成果を土台とし、Bmal1が制御する炎症性メディエーター発現機構をNF-κBの転写活性の観点から明らかにする研究課題を新たに立案することができた。
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Research Products
(3 results)