2021 Fiscal Year Research-status Report
IgG4関連疾患における濾胞性ヘルパー2型T細胞の分化増殖活性メカニズムの解明
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21K16292
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
秋山 光浩 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (30645750)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | IgG4関連疾患 / 濾胞性T細胞 / 転写因子 / 網羅的解析 / 分子機序 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgG4関連疾患はステロイド治療の漸減により高率に病勢が再燃するため、ステロイドに代わる治療標的分子が模索されており、研究代表者らは本疾患でTfh2細胞が分化増殖活性化して病態形成の中心を成すことをこれまでに世界に先駆けて報告してきた。本研究では本疾患患者由来Tfh2細胞で健常人と比較して特徴的に発現上昇または低下している分子経路を網羅的にスクリーニングし、その後患者細胞を用いてin vitroでの機能解析を行い、Tfh2細胞の分化増殖活性化制御機構における候補分子の役割を明らかにすることを目的としている。令和3年度は本研究遂行のための臨床検体の収集、末梢血中Tfh2細胞のソーティングとRNA抽出、RNAシークエンス、バイオインフォマティクス技術を用いたクラスター解析、GO解析およびPathway解析を行い、IgG4関連疾患由来Tfh2細胞に特徴的に発現上昇または低下を認める分子経路を網羅的にスクリーニングし、候補となる経路および分子を同定する予定としていた。結果、IgG4関連疾患患者の臨床検体の収集は当初の予定通り進んでおり、研究は進捗しているといえる。末梢血中のTfh2細胞の遺伝子発現も解析中であり、本疾患で発現上昇を認める複数の候補分子の同定に至っている。これらの候補分子のうち、病態形成に関与していることが予想されるものに関して実際に妥当性評価を行う予定としており、意義がある結果を得られる可能性がある。将来的に本疾患の治療標的候補となりえるため、重要であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、臨床検体の収集と本疾患のTfh2細胞で発現上昇している候補分子の解析が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた通り、収集した臨床検体を用いて本疾患由来Tfh2細胞で発現上昇している可能性のある候補分子を蛋白発現レベルで評価する。
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Causes of Carryover |
予定していた海外学会へコロナ禍といった影響により参加できなかった。また、購入予定であった細胞アイソレーションキットや一部の抗体に関してもコロナ禍の影響で一部納期のタイミングが合わず、使用計画として翌年度に購入することになった。
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Research Products
(5 results)