2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of airway epithelial keratinization and barrier function as a novel therapeutic target for asthma
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21K16308
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
井上 英樹 昭和大学, 医学部, 兼任講師 (80813162)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 気道上皮細胞 / 真菌 / アルテルナリア / 気管支喘息 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度において、アルテルナリア曝露による気道上皮細胞の遺伝子変化を検討するため、網羅的遺伝子発現解析であるRNAシーケンシングを行った。気道上皮細胞16HBE14o-にアルテルナリア抽出液を曝露後、細胞を回収・RNA抽出を行った。NovaSeq 6000を用い、ペアエンドリードにてシーケンシングを行った。コントロール群とアルテルナリア曝露群で比較を行ったところ、統計学的に有意な遺伝子発現変動遺伝子数は、6,364 遺伝子(増加 1,615 遺伝子、減少 4,749遺伝子)であった。主な発現上昇遺伝子として、リボソーム蛋白関連の上昇が認められた。 リアルタイムPCRを用いて、上皮角層蛋白と炎症性サイトカインの発現の検討を行った。アルテルナリア曝露によって、代表的な炎症性サイトカインであるIL-6およびIL-8の遺伝子発現上昇が認められた。角層蛋白の1つである。ケラチン6B、フィラグリンの遺伝子発現の上昇が認められた。蛋白発現についてELISAを用いて検討し、アルテルナリア曝露によって、炎症性サイトカインであるIL-6およびIL-8の培養上清での発現上昇を認めた。フィラグリンおよびケラチン6Bについて、細胞溶解液において測定を行い、アルテルナリア曝露によってフィラグリンの発現低下をみとめた。フィラグリンを誘導することが知られているJTC-801で処理を行い、フィラグリンの増加を確認できたが、アルテルナリア曝露とJTC-801を同時に処理したものでは、IL-6およびIL-8の減少効果は認められなかった。 以上の結果から、気道上皮細胞において、アルテルナリア曝露により、リボソーム蛋白関連の遺伝子発現の上昇が認められた。その下流因子としてIL-6やIL-8の炎症性サイトカインの遺伝子および蛋白発現の上昇が認められ、またフィラグリンでみた上皮角層蛋白の低下が認められた。
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