2022 Fiscal Year Research-status Report
肺炎クラミジアによる宿主脂質代謝系の異常とエクソソームの関連
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21K16329
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
吉村 芳修 福岡大学, 医学部, 講師 (90771197)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺炎クラミジア / エクソソーム / 脂質代謝異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺炎の原因となる肺炎クラミジアは動脈硬化症などの脂質代謝異常にも関与することが報告されているが、詳細なメカニズムについてはいまだに不明な点が多い。我々の研究室ではこれまでに肺炎クラミジアが脂肪細胞に感染し、生存に必要な脂質やエネルギーを獲得していることを明らかにしてきた。また、近年、糖尿病や高脂血症などの病態には脂肪細胞やマクロファージから分泌される細胞外小胞(エクソソーム)が関与していることが明らかになってきている。肺炎クラミジア感染によって引き起こされる肺炎以外の病態にもエクソソームが関与している可能性がある。本研究は感染とエクソソームの関連を明らかにし、治療開発の基礎を作ることを目指す。2022年度は感染動物の血清より精製したエクソソーム由来RNAについて次世代シーケンサーをもちいてmiRNAの解析を行った。得られた結果はリード数が十分ではなく、再解析が必要であると考えられたため、再解析に向けて菌株の再精製を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
次世代シーケンサーによるマウス血清由来エクソソームの解析を行った(外注)。しかし、得られた結果はリード数が十分でなく、詳細な解析を行うためには、再度実験が必要であると考えられた。ただし、一部では脂質代謝に関与する可能性のあるmiRNAの発現変化がみられており、詳細な評価・検討を行う必要がある。また、追加の感染実験に向けて菌株の培養精製を行ったが、感染に用いるための十分量の菌株を得るために時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
次世代シーケンサーで得られている結果を基に、別の評価方法(デジタルPCR等)をもちいてmiRNAの解析を進める。それと同時に再度感染実験を行い、次世代シーケンサー解析を行うことを検討する。
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Causes of Carryover |
一部の実験結果およびサンプルの調整等を外注で行う予定であったが、自施設で行ったため使用額が少なかった。また、実験に用いる菌株の調整に時間を要したため実験計画が遅延したため、次年度使用額が生じた。次年度使用額については、再度追試のための実験が必要であり、その費用に充てる。
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Research Products
(3 results)