2022 Fiscal Year Research-status Report
脂肪組織におけるマクロファージを介したGIP受容体シグナルの役割の解明
Project/Area Number |
21K16335
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
清水 辰徳 秋田大学, 高齢者医療先端研究センター, 特任講師 (80813245)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | GIP / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
消化管ホルモンとして知られるGastric inhibitory polypeptide(GIP)受容体は複数のゲノムワイド関連研究(GWAS)で肥満との関係が指摘されている。GIPの受容体は、多くの臓器・組織に発現しており、脂肪組織の中では脂肪細胞に発現し脂肪組織に高発現している。これまでに、GIP受容体欠損マウスの高脂肪食に対する肥満耐性が知られており、脂肪細胞のGIP受容体シグナルによる中性脂肪の取り込み作用によって説明されていた。今回我々は、脂肪細胞に加え、マクロファージにGIP受容体が高発現していることを見出しており、GIP受容体発現低下により生じる脂肪組織の変化やマクロファージを介したGIP受容体シグナルの解 明は肥満への核心的な理解につながるものと考え研究を進めている。これまでに、GIP受容体欠損マウスの骨髄を野生型マウスに移植することにより、脂肪組織のマクロファージをGIP受容体欠損マクロファージに置換するモデルを用いて検討を重ねている。GIP受容体欠損マウスの骨髄を野生型マウスに移植した群(KO→WT)、野生型マウスの骨髄を野生型マウスに移植した群(WT→WT)をそれぞれ移植後8週経過したところから高脂肪食とし、体重推移・耐糖能を評価した。高脂肪食開始前の耐糖能は両群で差はなかった。高脂肪食負荷後の耐糖能は有意差を認めなかったもののKO→WT群においてインスリン感受性・血糖など耐糖能において良い傾向を認めた。また高脂肪食負荷後の体重増加はKO→WTマウス群において有意に抑えられており、興味深い結果と考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CRISPR-Cas9を用いたゲノム編集にてマクロファージ特異的GIP受容体欠損マウスの作成がうまくいっていない。海外の他施設より我々のこれまでの研究結果とは逆の報告がなされたこともあり、共同研究による作成依頼も実現できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム編集マウスを使用せず、骨髄移植マウスで生じた結果のメカニズムを検証すべく、in vitroでの実験を進めたい。さらに、骨髄移植にて置換される細胞の中でマクロファージに焦点を当てているが、脂肪組織より得られた細胞をさらに細かく分取を行うことによりGIP受容体を発現する他の細胞の精査・その働きについても検討していきたい。
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Causes of Carryover |
ゲノム編集マウスの作成が遅れていることから、マウスを使用して行う予定であった実験が行えておらず次年度への繰り越しが生じた。繰り越しとなった助成金は次年度のものと合わせ、これまでの実験結果を裏付けるin vitroの実験のために使わせて頂きたいと考えている。
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