2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K16337
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
加納 麻弓子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (20868129)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 副甲状腺 / 胚盤胞補完法 / マウスES細胞 / 副甲状腺機能低下症モデルマウス / 腎被膜下移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は胚盤胞補完法によって作出したマウスES細胞由来の副甲状腺が移植臓器として有効に機能し得るかを検証した。Pth-tdTomato蛍光レポーターマウスを用いて、蛍光実体顕微鏡下で副甲状腺を摘出し副甲状腺機能低下症モデルマウスを作製した。副甲状腺機能低下症モデルマウスの腎臓被膜下へ胚盤胞補完法によって作成したマウスES細胞由来の副甲状腺を移植し、2~4週間毎に採血を行った。腎被膜下移植群はSham群と比較して有意に血中Ca値が上昇した。さらに、メイロン負荷試験に対するPTHの反応性も腎被膜下移植群はSham群と比較して有意に上昇した。以上の結果から、胚盤胞補完法によって作出したマウスES細胞由来の副甲状腺が移植臓器として機能し、副甲状腺機能低下症モデルマウスの病態を改善したことが示唆された。次に先天性副甲状腺機能低下症への治療効果を確認するために、Gcm2KOマウス新生児にマウスES細胞由来の副甲状腺を皮下移植した。Gcm2KOマウス新生児は未治療の場合高い確率で死亡するが(致死率95%) 、マウスES細胞由来の副甲状腺を移植されたことで生存期間の延長が認められた。次年度に向けて、副甲状腺欠損ラット胚の作出を行った。ラット前核期胚にエレクトロポレーションによってGcm2を標的としたsgRNAとCas9を導入した後に仮腹へ移植し、Gcm2KOラット新生児を得た。得られたGcm2KOラットではPTHの低下と副甲状腺の組織学的欠損、頸部~縦郭のPth発現の著明な低下が認められ、副甲状腺が完全に欠損していると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
移植実験が順調に完了し、異種間キメラへと実験を進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は得られたGcm2KO副甲状腺欠損ラット胚を用いて、異種間胚盤胞補完法に挑戦する。
|
Causes of Carryover |
受精卵ゲノム編集装置購入のため前倒し請求を行ったが、物品費用やシークエンス費用が予想よりも低額で済んだため次年度使用額が生じた。次年度使用額と翌年度請求額を合わせて、異種間胚盤胞補完法に必要な物品購入費およびシークエンス費、論文投稿費に充てる方針である。
|