2022 Fiscal Year Annual Research Report
CGM数理解析による血糖域指標推定プロトコールの開発
Project/Area Number |
21K16341
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松岡 敦子 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (80879966)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 数理解析 / CGM / 血糖変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
SU剤内服2型糖尿病患者300例のCGMデータを用いて、TBR、TIRそれぞれと、HbA1c、CVとの関係性を検討したところ、HbA1cとCVとの組み合わせでTBR、TIRが変化することが明らかとなった。これは「TBRやTIRが血糖と血糖変動性の関数で記述できる」ことを示している。また、対象者のCGMデータや臨床データににつき、Rのgamlssパッケージを用いて検討したところ、ガンマ、対数正規、逆ガウスのモデルが、実際の患者の血糖分布に適合することが明らかとなった。また、TBRは、閾値(70または54 mg / dL)での累積分布関数(CDF)として計算され、推定TBRは、平均グルコースおよびCVの関数として表される事が明らかとなった。そこで、様々なCVレベルにおいて、TBR<4%の低血糖目標レベルを達成する平均グルコースの推定が可能であることが明らかとなった。 また、インスリンポンプ療法中の1型糖尿病患者のCGMデータを解析することで、Kinetic parameterとCGMの血糖レベルに基づいたcalculated HbA1c(cHbA1c)が、estimated HbA1c(eA1c)やglucose management indicator (GMI)といった既存のCGM指標より、laboratory HbA1cとの相関が強く、優れた血糖関連指標となることも見出した。さらに、鉄剤内服中の1型糖尿病患者において、赤血球寿命で調整したHbA1cレベルはCGMの血糖血糖レベルとよく相関することも見出した。これら数理モデルを応用したCGMデータの解析を通じ、CGM指標とHbA1cとの関係についても明らかとした。
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