2022 Fiscal Year Research-status Report
マクロファージ増殖抑制を介したGPR43による糖尿病心筋症発症抑制の検討
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21K16356
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
花谷 聡子 熊本大学, 病院, 特任助教 (60814762)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 糖尿病心筋症 / 短鎖脂肪酸 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、マクロファージに発現するGPR43を介した免疫応答の制御が糖尿病心筋症の発症・進展を抑制するという仮説を立てており、本研究ではGPR43を介した免疫応答を制御することが糖尿病心筋症の新規治療法となり得ることの証明を目指している。 GPR43は短鎖脂肪酸の受容体である。糖尿病モデル動物での実験を開始する前に、マクロファージに対する短鎖脂肪酸、GPR43シグナルの影響について検討を行った。骨髄由来マクロファージを短鎖脂肪酸の一種である酢酸塩で刺激すると、マクロファージの増殖が抑制されることを確認した。また、GPR43ノックアウトマウスから抽出した骨髄由来マクロファージにおいて、酢酸塩刺激によるマクロファージ増殖抑制が解除されたことから、酢酸塩によるマクロファージ増殖抑制はGPR43を介した作用であると考えられた。また、糖尿病心筋症にみられる心臓組織リモデリングに関与することが報告されているTNFαやMCP-1などの炎症マーカーも低下するデータが得られている。その作用機序としてAMPKシグナルの活性化が関与しているかどうか検討中である。 糖尿病心筋症と同様に、糖尿病患者における心不全の原因となる虚血性心疾患についての評価も並行して行っている。当教室では、マクロファージ増殖は動脈効果の進行に寄与することを報告しており、短鎖脂肪酸によるマクロファージ増殖抑制効果も動脈硬化進行を抑制しうることを確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた動物実験開始前の予備実験を追加して行ったこと、動脈効果に関する評価を追加しているため予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
予定していた糖尿病モデルマウスの作成を行う。また、動物実験の準備と並行して培養心筋細胞を用いた細胞実験を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じているが、少額であり使用計画に大きな変更はない。
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