2023 Fiscal Year Annual Research Report
膵島血流に着目したGLP-1の新規作用機序の解明:In vivo画像による検討
Project/Area Number |
21K16360
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
木村 友彦 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50454830)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵島血流 / GLP-1 / 虚血 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
①正常血糖マウスへのLiraglutide(Lira) 急性投与では膵島血流の明らかな変化は見られなかった。一方で、大変興味深いことに②糖尿病モデルへのLira急性投与で投与3分後の膵島周囲の血管径が10%程度、また血管ボリュームが20%程度有意に拡張した。それに伴い、血流速度も450マイクロm/secから5220マイクロm/secに有意に増加した。 ③慢性投与においてコントロール群に比し、Lira群ではインスリン値は上昇し、随時血糖値は著明に低下した。 GSISから、16.7mM Glucoseによる反応はLiraglutide群でControl(Con)群よりも有意に高値であった。膵島のインスリンコンテントはLira群で有意に高値だった。In vivo imagingから膵島血管のvolume、血流速度はLira群で高値であった。In vivo imagingで得られた所見を古典的な染色方法で確認した。即ち、膵島のPimonidazole染色はControl群に比べLira群で低検出でありLiraにより虚血から保護されていることが示唆された。CD31染色からLira群はCon群に比し陽性エリアが有意に高く(p=0.029)、血管内皮細胞が保たれていると示唆された。diaminofluorescein-FM染色から、Lira群はCon群に比し、膵島におけるNOの産生が有意に上昇していた。膵島mRNA発現はLira群でIns1、Ins2、MafAが有意に高値であった。一方で、Hif1α発現はLira群で低値であり、その下流因子のVegf、Pdk1、 Gp1、Eno1、Pfk、Hk1、Adm、Ldha、Pgmはいずれも低下していたことからLira慢性投与によるNO増加は膵島を虚血から保護したと考えられた。
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