2023 Fiscal Year Annual Research Report
Application of Alpha-ketoglutarate for the Treatment of Obesity as an Epigenetic Drug
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21K16366
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
岡部 圭介 富山大学, 学術研究部医学系, 特命講師 (00770702)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | αケトグルタル酸 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、まず、マウスに対するα-ケトグルタル酸(AKG)投与の影響を検討した。これは、以前の研究では、細胞膜透過性の高いジメチルα-ケトグルタル酸(DM-AKG)の投与を行っていたが、生体内において生理的に細胞内に存在するAKGを用いるほうが安全性の面でより懸念が少ないと考えられたためである。野生型マウス(C57BL/6J)を生後6週齢から飲水中に1%AKGを加え、通常食または60%高脂肪食で18週齢まで飼育し食事誘導性肥満に対する影響を検討した。通常食、高脂肪食いずれにおいてもコントロール(Ctrl)とAKGとの間に有意な体重の差は認めなかった。また、内臓脂肪、皮下脂肪、肝臓、筋肉の組織重量を比較したところいずれもCtrlとAKGとの間に有意な差は認めなかった。腹腔内糖負荷検査(ipGTT)を行ったところ、CtrlとAKGとの間に有意な耐糖能と差は認められなかった。次にこれらのマウスから各組織(内臓脂肪、皮下脂肪、肝臓、筋肉)を採取し、代謝物を抽出した。質量分析計を用いて、エネルギー代謝に関連する代謝物について、各組織中の濃度を検討した。脂肪組織と肝臓でAKG投与によるAKG濃度の上昇が認められたが、筋肉では有意な差は認められなかった。さらに、脂肪組織からRNAを単離し、RT-PCRによる遺伝子発現を調べたところ、一部の炎症性マーカーに変化を認めたものの脂肪細胞分化に関連する遺伝子の発現状況に明らかな変化を見出すことはできなかった。以上の結果から、マウスへのAKG投与による抗肥満効果は明らかでなかった。これには、AKGの組織移行性、あるいは他の機序が影響しているのかもしれない。
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