2022 Fiscal Year Research-status Report
脂肪細胞由来ケトン体による脂肪細胞機能の制御および恒常性維持機構の解明
Project/Area Number |
21K16369
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西谷 重紀 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30889407)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ケトン体 / 脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 脂肪細胞におけるケトン体の産生制御機構の解明:① 培養脂肪細胞の分化過程でケトン体合成酵素Hmgcs2の発現量が増加することから、Hmgcs2遺伝子のプロモーター領域をクローニングし、脂肪細胞分化に関与するPPARγやCEBPα、インスリン、グルココルチコイドによる制御機構を解析する。 ② 成熟脂肪細胞において、栄養状態に関連したグルコースや脂肪酸、インスリン、グルカゴン、グルココルチコイド、カテコラミンによるケトン体合成酵素Hmgcs2の遺伝子発現量の変化を解析する。培養脂肪細胞の上清へのケトン体3HBAの分泌量の変化についても解析する。
2. ケトン体の脂肪細胞に対する作用とシグナルの解明:① 培養脂肪細胞に対してケトン体を添加し、脂肪細胞機能解析としてアディポサイトカイン発現量やインスリンシグナル、インスリン依存性糖取り込み、脂肪酸生合成酵素の発現量、細胞内中性脂肪含量を測定し、ケトン体が脂肪細胞機能に及ぼす作用を解析する。 ② 培養脂肪細胞に対してケトン体合成酵素Hmgcs2のsiRNAや酵素阻害剤を添加し、上記の脂肪細胞機能指標を解析する。 ③ ケトン体のリガンドとして作用が推察されるGPCRの阻害剤、シグナル阻害剤を用いて上記の脂肪細胞機能指標を解析し、代謝物シグナルを解析する。
3. 脂肪細胞由来ケトン体が全身の臓器に及ぼす作用の解析:アディポネクチンCreマウスを用いて、脂肪細胞特異的ケトン体産生酵素(Hmgcs2)欠損マウスを作成する。これらのマウスに対して生理的な摂食/絶食負荷や、高脂肪高ショ糖食負荷による肥満糖尿病モデルを作成する。グルコース負荷試験やインスリン感受性試験、脂質負荷試験、脂肪組織や肝臓のRNAseqによる遺伝子発現量の解析を行い、脂肪細胞由来ケトン体が脂肪組織および全身に及ぼす作用を解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
途中までの経過につき論文発表し、残りの解析を実験中である。
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪細胞局所におけるケトン体産生について、脂肪細胞特異的Hmgcs2欠損マウスを作製し、脂肪細胞由来ケトン体の意義を解明する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額がないため、記入しない。
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Research Products
(3 results)