2022 Fiscal Year Annual Research Report
微小環境クロストークによるNrf2依存を介した肝癌薬剤耐性機序解明に関する研究
Project/Area Number |
21K16381
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
寺奥 大貴 徳島大学, 病院, 特任助教 (80737106)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Nrf-2 / ソラフェニブ / レンバチニブ / 薬剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ソラフェニブ・レンバチニブ耐性株は、1週ごとに培養液中の薬剤濃度を0.5マイクロMずつ上げていき、3か月をかけてそれぞれの耐性株を作成した。耐性株ではソラフェニブへの感受性が低下し、EpCAMやNanogといったstemness markerや、Nrf2、下流のHO-1が耐性株で高発現し、さらにABCトランスポーター発現が耐性株で有意に高いことを確認した。レンバチニブ耐性株でもNrf2遺伝子発現の増強、ABCトランスポーター(ABCA6, ABCC2, ABCG2)の発現増強とStemness markerであるNanog, CD44, EPCAMの高発現が確認された。さらにsi-RNAによりNrf2発現を抑制すると、ソラフェニブ、レンバチニブ耐性株におけるstemness markerやABCトランスポーターの発現上昇が抑制され、耐性株で上昇した浸潤、転移能に関しても、Nrf2阻害により抑制された。 さらに耐性株を48時間培養した培養液を用いて非耐性株を培養すると、増殖能・遊走能ともに増強されることを確認し、耐性株同様にNrf-2と関連遺伝子発現の上昇が確認された。 次に薬剤耐性細胞株由来CAFをLX-2から耐性癌細胞株の培養液を用いてCAFを作成した。CAFマーカーであるαSMA、FAPのmRNA発現の上昇をソラフェニブ耐性Huh7由来CAF、レンバチニブ耐性Huh7由来CAFいずれにおいても確認した。
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