2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K16391
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
會田 直弘 藤田医科大学, 医学部, 講師 (40750500)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵島移植 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
高効率な膵島移植法の確立を目指すため、研究期間を通してラット膵島とMuse細胞の共移植効果について検討した。まず、ラット骨髄よりMuse細胞の分取を試みたが、収量はごくわずかで不適と判断した。そのためヒトMuse細胞との共移植とした。ヒトMuse細胞は抗原性が低く、他分野での異種移植では7週の生着を得たと報告されている。まず、200-250gの8週齢糖尿病ラットに対して、投与膵島数を変え膵島単独投与を行うと、600isletsでは100%(5/5例)、300isletsでは40%(2/5例)、200isletsでは0%(0/5例)が糖尿病治癒した。これを基に、研究最終年である本年はラット膵島(300islets)とMuse細胞の共移植を行い、治癒率が向上するか否かを検討した。昨年の検討に基づき、10^4 cellsのMSCもしくは10^4 ヒトMuse細胞を300isletsとともに共移植する計画とし、各群5例ずつ移植を行いその血糖改善効果と体重の推移を検討した。初期に施行したコントロール群(300islets単独移植、n=5)では糖尿病治癒(随時血糖200mg/dl以下)は40%(2/5例)、血糖改善率(随時400mg/dl以下)も40%(2/5例)であった。糖尿病治癒率は、Muse細胞共移植群で40%(2/5例)であるのに対し、MSC共移植群では20%(1/5例)であった。血糖改善率に着目すると、MSC共移植群では糖尿病が治癒した1/5例のみであったのに対し、Muse細胞共移植群では80%(4/5例)が改善していた。体重増加はMSC共移植群では最終体重が296[279-386]gであるのに対し、Muse細胞共移植群では最終体重が343[332-371]gと高値であった。Muse細胞共移植群では成長傷害が緩和されており、その背景として血糖改善効果が関与している可能性が明らかとなった。以上の結果について第51回日本膵・膵島移植学会にて報告した。
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