2021 Fiscal Year Research-status Report
development of myoblast-like-mesenchymal stem cell to prevent anastomotic complications
Project/Area Number |
21K16400
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小林 慎一朗 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (80623363)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 骨格筋幹細胞 / 骨髄由来幹細胞 / 遅発性消化管穿孔モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
消化器がん治療(手術、放射線、抗がん剤)の高度化に伴い、従来の治療では治癒困難な多くの難治性消化管合併障害の併発が認められている。難治性消化管穿孔予防の筋層補強に関して自家筋芽細胞を用いた培養技術の確立および消化管移植効果が確認されつつある。しかし、現在の細胞移植には自家筋組織採取、培養が必要であり、侵襲性や培養効率低下とともに時間的経済的コスト等の課題が多い。本年度の研究では、骨髄幹細胞を細胞源としin vitroでの筋芽細胞への分化誘導の培養技術を開発し、消化管移植における筋層補強への有効性を目的とした基礎研究を行うことが目標である。骨髄由来幹細胞からPax7、 MyoD、Myf5陽性の骨格筋幹細胞が誘導を行った。筋前駆細胞にはリガンド蛋白であるjagged-1を添加すると増殖可能な筋芽細胞となる。本研究において臍帯由来幹細胞から同様な手法を用いて分化誘導を行い、臍帯由来誘導筋芽細胞培養法を確立させる。 筋芽細胞から筋管構造への分化誘導条件については確立しており、効率的に筋芽細胞まで分化させる必要がある。 遅発性消化管穿孔モデルに関しては、ラットにて作成可能であった。膵液瘻モデルとも合わせて作成して、誘導筋芽細胞シートおよび筋芽細胞シートの移植モデルを確立した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度は、細胞培養段階の骨髄由来幹細胞から筋芽細胞へ分化誘導を行う実験において十分な効率を得ることができず、再度条件検討を行うことになった。プライマリーからの培養の際に細胞の質のばらつきがあるため、十分な予備実験の計画が困難であった。より均一な条件検討を行うために細胞バンクからの購入を行い、維持培養から分化誘導を行う方針とした。効率的な誘導法において、筋芽細胞との共培養が有用であるとのこと報告も散見され、インサートを用いた共培養法による筋前駆細胞への分化誘導効率の検証を行う方針とした。また、動物モデルに関しては順調に検討が進んでおり、評価可能なモデル作成ができた。筋芽細胞の移植実験を進めていく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
培養条件を再検討し、より効率的な分化誘導を行う方針とした。分化誘導において、十分な効率を得ることができず、再度条件検討を行うことになった。プライマリーからの培養の際に細胞の質のばらつきがあるため、より均一な条件検討を行うために、細胞バンクからの購入を行う方針とした。また動物モデルに関しては、順調に検討が進んでおり、評価可能なモデル作成ができた。筋芽細胞の移植実験を進めていく予定である。条件検討を検証するために東京女子医科大学または大阪大学に相談を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
培養条件の調整の進まなかったため実験用試薬の購入費が繰越となっている。また、新型コロナ感染症拡大に伴い学会がWeb参加となったため旅費が発生せず次年度使用額が生じた。 次年度実施予定の筋芽細胞の移植実験にて使用する試薬や実験器具の購入ならびに情報収集、成果発表のための学会参加費及び旅費に使用する予定である。
|