2023 Fiscal Year Research-status Report
GlucocorticoidのBarrett食道癌発生予防および治療への応用
Project/Area Number |
21K16413
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
郷右近 祐介 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (00899099)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | バレット食道癌 / グルココルチコイド |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究にてBarrett食道癌におけるグルココルチコイドレセプターの発現を免疫組織化学的に検討し、Barrett食道癌ではグルココルチコイドレセプター発現が予後良好因子であることを報告しており、実際の癌細胞株で同様の効果が示されるかどうかを確認するためBarrett食道癌の細胞株4種類(OE33、ESO51、SKGT-4、OACM5.1)を培養し、デキサメタゾン負荷による細胞増殖試験を行った。 うち デキサメタゾン濃度は1nM,10nM,100nM,1μMの4種類を設定し、コントロールとしてDMSO1μMを用いた。薬剤投与24時間後24・48・72時間後の腫瘍増殖能をWSTassayにて評価した。
OE33ではデキサメタゾン投与72時間後においての濃度依存性に軽度の腫瘍増殖効果が認められた。また、OACM5.1についてはデキサメタゾン1μMの高濃度でDMSOと比較して腫瘍増殖抑制効果が確認されたものの、どちらも統計学的に有意な差は認められなかった。すべての細胞株において24時間後・48時間後では明らかな増殖抑制効果は認められず。72時間後においても他の細胞株(SKGT-4、ESO51)においては明らかな腫瘍増殖抑制効果は認められなかった。それぞれの培養上清内のサイトカイン濃度測定を検討しており、得られた弱い測定効果が腫瘍細胞からのサイトカイン抑制によって得られたものかどうかを検証できるものと考えている。 現時点ではデキサメタゾン単独ではBarrett食道癌細胞株の増殖抑制効果は非常に弱いと思われた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
デキサメタゾン負荷によって期待していた増殖抑制効果が確認されなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
GRのノックダウンやノックアウト細胞株を用いての増殖能の比較や、増殖能だけでなく浸潤能等の比較なども必要かと思われた。また、サイトカイン添加やCAFとの共培養なども検討している。
|
Causes of Carryover |
予定していた研究計画がずれ込んだため。次年度での施行を予定している。
|