2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of molecular mechanism about anti-tumor immune evasion by beta-catenin in hepatocellular carcinoma and its therapeutic application
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21K16415
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
下川 雅弘 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (80898312)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 抗腫瘍免疫 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究では、当研究室で樹立したマウスHCC細胞株(3H3, HrasQ61L)にCas9を用いてPten-KOを行い(3H3-P細胞)、さらにCtnnb1 exon3-skipping (3H3-PC細胞)、およびCtnnb11-4A(constitutive active)を導入(3H3-PC細胞)しβ-catenin高発現細胞を作成した。 これらをヌードマウスに皮下移植し、回収された腫瘍サンプルについて次世代シーケンスを用いた解析によりマウス・ヒトで共通するサイトカイン・ケモカイン変化を同定した。 一方、もともとβ-catenin高発現 (exon3 skipping) のHepa1-6細胞株にexon2/4型mRNAの選択的ノックダウンを行ない(Hepa1-6-C細胞)で上記のサイトカイン・ケモカインの変化を確認中である。 上記の3H3-P細胞、3H3-PC細胞およびHepa1-6細胞、Hepa1-6-C細胞を用いたin vitroでの免疫応答系の再現に時間を要している部分はあるが、mRNA・タンパク発現・Flow cytometryなどを用いて樹状細胞・T細胞の遺伝子発現解析を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の研究ではマウスHCC細胞株の皮下移植における生着不良を認め、Cas9およびCas13dの恒常的発現などが原因と考えられた。2022年度の研究ではPten-KOを行うことなどで解決し、時間を要したがサイトカイン・ケモカインの同定に至った。 一方、興味深い展開として、TCGAデータ解析を行ったところCTNNB1変異症例ではendogenous retrovirus(ERV)発現が低下している可能性が示唆され、こちらにも注目して解析を進める予定としている。近年、ERVには炎症惹起する機能が報告されており、CTNNB1変異によるERV発現低下が宿主免疫応答の低下を引き起こしているという新たな仮説をたて、並行して検証を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、RNA医薬を用いた治療実験を進める方針としており、CRISPR-Cas9含有lipid nanoparticle (LNP)を用いてmodRNAを導入し、β-catenin発現およびサイトカイン・ケモカインの発現の修飾を行う予定である。腫瘍形成能あるいは免疫回避能の減弱をin vitro・in vivoの系で解析していく予定である。
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Causes of Carryover |
昨今の世界情勢の影響により購入検討した物品の納期がの遅延が見込まれたため、購入を翌年度に延期いたしました。結果として次年度使用額が生じました。
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