2021 Fiscal Year Research-status Report
Blood-derived ctDNA biomarker profiling in patients with curative surgical resection for Stage IV colorectal cancer
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21K16416
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡村 亮輔 京都大学, 医学研究科, 助教 (20883284)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | Molecular profiling / 個別化癌治療戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、患者血液由来ctDNA(血中循環腫瘍DNA)の解析を用いて大腸癌Stage-IV根治度B切除症例に対する、ctDNAを用いたMolecular profilingを用いた個別化癌戦略の有用性を探索する事である。研究初年度はクリニカルシークエンス会社との共同研究を企画し、3社と面談し協議しているが、資金面での交渉中である。 一方で、大腸癌におけるMolecular profilingの有用性を探索する本研究の実施のための基礎的データの獲得と可能性の探索を目的として、同じ癌種で再発リスクが高いとされる進行直腸癌症例を対象とした検討した。京大病院で癌腫瘍組織のMolecular profilingを施行した26例を対象に、腫瘍組織DNAの解析と個別化医療戦略の可能性を検討した。検出された変異バリアント数中央値は5個で, 全例でAPC変異(100%)を認め, 続いてTP53(96%), KRAS(27%)の変異がみられた。同じ遺伝子変異パターンを示す患者は無く、ゲノム変化の多様性を示した。癌免疫治療バイオマーカーであるMSI-High・TMB-Highはいずれも認めなかった。BRAF V600Eはみられなかったが, ERBB2 amplificationは12%の症例でみられた。Potentially actionable alterationを含めると73%の症例で何らかの薬剤が提案できると考えられた。これは分子標的薬を用いた精密医療戦略の可能性を示唆する。これらの結果は、本研究の対象であるStage IV根治度B症例でも再現性がある可能性があり、検討が必要と考えられた。この内容を、2022年4月に熊本で開催された日本外科学会で「Comprehensive Genome Profilingから考察する局所進行直腸癌に対する精密医療戦略の可能性」の発表をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
クリニカルシークエンス会社との資金面での調整が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
高額の費用が必要になるクリニカルシークエンス会社でのctDNA解析の外注は今後も交渉が必要と考えるが、既に別の代替案での研究推進を考慮している。京都大学の別の研究グループで独自におこなっているDNAシークエンス技術を用いて、安価に解析をおこなう計画である。
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Causes of Carryover |
クリニカルシークエンス会社との資金面の交渉が未だ続いている状況。今年度を目標に、進めていく予定。
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[Presentation] Comprehensive Genome Profilingから考察する局所進行直腸癌に対する精密医療戦略の可能性2022
Author(s)
岡村亮輔, 板谷喜朗, 住井敦彦, 横山大受, 西崎大輔, 笠原桂子, 岡田倫明, 肥田侯矢, 星野伸晃, 錦織達人, 久森重夫, 角田茂, 近藤知大, 福山啓太, 吉岡正博, 松原淳一, 金井雅史, 武藤学, 河田健二, 小濱和貴
Organizer
日本外科学会学術集会2022