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2021 Fiscal Year Research-status Report

血液サンプルからの肝細胞癌幹細胞の単離と薬剤抵抗性の解明

Research Project

Project/Area Number 21K16418
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

富原 英生  大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (30724231)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2023-03-31
KeywordsCTC / 培養 / 肝細胞癌 / 遺伝子変異
Outline of Annual Research Achievements

悪性腫瘍の根源とされる癌幹細胞は、自己複製能、多分化能、造腫瘍能を有する少数の癌細胞集団で、治療抵抗性を示し、再発や転移の原因となる。本課題は、肝細胞癌患者の血液から循環血液細胞(Circulating Tumor cell: CTC)を生きたまま採取し、これを培養することで個々の患者に特異的な癌幹細胞を同定・解析を試みる研究である。研究計画が倫理委員会で承認され、肝細胞癌患者から20mlの採血を得て、血中の癌細胞を免疫染色で同定する試みを行った。初年度は新型コロナ感染症のために患者との接触も長期に渡り制限され、血液サンプルが得られたのは4例のみであった。4例中2例が再発症例であり、1例は門脈浸潤を伴うStage III症例,もう1例はStage II症例であった。免疫染色の条件検討にHuh7やPLCなどのHCC細胞株を用いて、EpCAM, CK8, CK18, CK8/18カクテル抗体で染色し、検出率の高いCK8/18カクテル抗体を使用することとした。採血の後、速やかにOncoquick細胞分離液を用いて赤血球、白血球、血小板を可及的に除去し、特殊ポリマーをコーティングしたスライド上で培養することによりスライドグラス上から血球成分が遊離して癌細胞が残り、翌日にCK8/18抗体を用いたワンステップ法により免疫染色すると血球よりもサイズが大きく、いびつな形態の腫大した核を有する癌細胞らしき細胞が観察できた。血中の癌細胞の捕獲と染色は4例ともに成功した。培養は7-10日間行い、血球細胞が脱落してゆく中、4例中3例でサイズの大きな癌細胞様の球体形成を認めた。4例目については、7日目にシャーレ内に残っている細胞を集めてRNAを抽出したが、サンプル量が少なくRNA抽出段階で核酸の分解が起こり解析はできなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2021年はCOVID19の影響で病院への立ち入りが制限され、特に後半はオミクロン株の蔓延で患者と接する研究もストップせざるを得なかった。しかし、細胞株を用いて肝細胞癌の検出に適当な抗体の選出やワンステップ法での染色法を確立し、血液サンプルから得たCTCを安定して検出できるようになったことからCTCの捕獲と染色についてはクリアできている。

Strategy for Future Research Activity

肝細胞癌患者の血液中の癌細胞は再発症例や門脈浸潤例では比較的容易に検出できる。DNA変異解析は必要であり、全ゲノム増幅をかけて、肝細胞癌に特異的な遺伝子変異をサンガー法で検出するよう実験を進める。DNA分析はセルフリーDNAでも可能であるが、CTCの利点として細胞を生きたまま回収してRNAレベルの解析ができる点が重要であるので、少数の細胞からいかに高品質のRNAを得ることができるかについてシングルセル解析を導入するなどして検討する予定である。

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Published: 2022-12-28  

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