2021 Fiscal Year Research-status Report
日本人肥満症患者における肥満外科手術後の代謝疾患、体組成、内分泌変化の関連
Project/Area Number |
21K16425
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
尾関 良則 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (50774379)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 肥満外科手術 / スリーブ状胃切除術 / 体組成 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満とはBMI≧25kg/m2で定義され、近年本邦でも中高年男性を中心に増加しており、糖尿病、脂質異常症、高血圧症などの生活習慣病が引き起こされるリスクが高いことがわかっている。肥満症とは肥満に起因ないしは関連する健康障害の合併が予測される疾患であり、適切な診断と治療は、医療経済においても大きな課題である。肥満症の治療として内科的治療と外科的治療があり、外科的治療の効果に関する報告が数多くみられる。本邦では腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が2014年4月に保険適応となったため手術件数が増加しており、日本人肥満症患者においても長期間にわたる良好な治療効果や糖尿病改善効果について多く報告されるようになっている。しかし術後の体組成変化に関しては依然として不明な点が多く、術後早期からの経時的変化の詳細も不明である。加えて日本人は欧米人と比較して内臓脂肪量が多いとされ、術後の体組成変化も異なることが予想される。本研究は日本人肥満症患者における外科的治療の一つである腹腔鏡下スリーブ状胃切除術前後での代謝疾患の改善効果と内分泌学的変化および脂肪・筋肉量の変化の関連を明らかにすることを目的としている。本年度は外科治療実施症例のデータベースを作成するとともに、対照群として内科的治療における治療前後の体組成変化および代謝疾患の改善効果の解析も行っている。また、関連する多くの学会参加を通じて積極的に情報交換を行い、本研究を推進を図りたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の基盤となる肥満外科治療症例におけるデータベースの作成は順調にすすんでおり、症例数の蓄積もできている。また対照群となる内科的治療の症例数も増えており、現在のペースで症例数が増えることで将来的な統計解析が可能になると考えている。解析ソフトも購入し、統計解析を実施する準備もできている。
|
Strategy for Future Research Activity |
日本人肥満外科手術における体組成と代謝疾患関連マーカーの関連に関しては2018年に我々が本邦初の報告を行った。本研究においては更なる解析を行うことで、体組成変化と内分泌学的変化の関連について解明できると考えられ、肥満外科手術の治療効果の予測因子や肥満症の新たな病態の解明につながると考える。現在までに順調に症例数を蓄積できているが、十分な解析をする上では依然として不足しており、今後も症例の蓄積を行い研究の促進を図っていく。また海外も含めた最新の情報に関しては、学会などを通じて積極的に情報収集を行う。
|
Causes of Carryover |
COVID-19感染症による影響で学会がWeb参加が中心となったことおよび検査にかかる諸経費が当初の予定より少なくなったため。今後は学会への現地参加が増えると予想されることから情報収集における費用が増加すると考えられる。
|