2021 Fiscal Year Research-status Report
膵癌治療抵抗性関連分子の発現制御による新規集学的治療戦略の開発
Project/Area Number |
21K16430
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
長井 美奈子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (80646092)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 膵癌 / CD200 / 治療抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
最難治癌である膵癌は未だ予後不良であり,外科的切除が唯一 の根治療法である.最近では化学療法等の進歩により,これまで経験しなかったような治療 効果を時に経験する.しかし一方で,治療中の急􏰁な進行や術後早期再発例にも少なからず 遭遇し,既存治療の限界も日々痛感する.応募者らはこれまでに膵癌予後向上を目指した 様々な基礎および臨床研究を実施し,その成果を報告してきた. また最近,CD200発現が膵 癌治療抵抗性に深く関わっていることを新たに見出した.本研究では膵癌を対象とし(1)治療 抵抗性獲得膵癌に特徴的な遺伝子変異􏰂同定,(2)特定された候補遺伝子とCD200発現と􏰂関連 性􏰂包括的解明,(3) 宿主免疫機構から見た治療抵抗性メカニズム􏰂検討,(4) 候補遺伝子ノック ダウンによる抗腫瘍効果􏰂検証を行う.以上の結果に基づき,症例毎の適性に合った個別化 治療􏰂確立とともに治療抵抗性克服による新たな膵癌治療戦略を構築することを目標とする.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
切除可能膵癌・切除可能境界膵癌に対する術前化学放射線療法中に切除不能となった症例,さらには手術加療後,早期再発をきたした 症例,また切除不能膵癌に対する全身化学療法中に腫瘍増大や遠隔転移を認めた治療抵抗性症例において,治療開始前に内視鏡的に採取された膵癌組織検体あるいは切除標本を用いて次世代シーケンサーによる網羅的な遺伝子解析を行い,治療抵抗性膵癌に特徴的な遺伝子変異を検出し同定しうることができなかった.そのため,研究スケジュールが遅れている.
|
Strategy for Future Research Activity |
治療抵抗性症例と治療抵抗性を示さなかった症例との分類分けを再検討し,治療抵抗性症例に特異的に見られる遺伝子変異の特定を行う.
|