2023 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌治療抵抗性関連分子の発現制御による新規集学的治療戦略の開発
Project/Area Number |
21K16430
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
長井 美奈子 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (80646092)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 治療抵抗性膵癌 / CD200 / 治療抵抗性関連遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌に対する近年の化学療法の進歩により,これまでにない治療効果を経験する一方で,既存治療に抵抗を示す症例も少なからず存在する.膵癌におけるCD200発現は術前化学放射線療法施行例で有意に頻度が高く,さらに予後因子解析では術前化学放射線療法は予後不良因子であった.腫瘍免疫学的検討として, 腫瘍周囲浸潤リンパ球との関連を検討した結果, CD200陽性例ではCD4, CD8, CD45RO陽性腫瘍浸潤リンパ球数が有意に低いことも判明した.手術による切除標本から採取した凍結検体を用いてreal-time PCRにて局所免疫活性の健闘では, CD200発現例でIL-2が有意に低いことも判明した.これらのことからCD200発現例では治療抵抗性を示す可能性が示された. 次にこれら治療抵抗性獲得膵癌に特徴的な遺伝子変異の同定および特定された候補遺伝子とCD200発現との関連性の包括的解明,治療抵抗性メカニズム, 候補遺伝子ノックダウンによる抗腫瘍効果の検証を行うことを予定した.これら治療抵抗性と関連する遺伝子の同定のため,治療抵抗性を示した症例と,治療奏功した症例を再分類し,再度,遺伝子解析を行い,治療抵抗性と関連のある遺伝子変異の同定を行うべく解析を行った.再分類後に様々に手法を変えて遺伝子解析を行ったが,現時点で治療抵抗性膵癌に特徴的な遺伝子変異の検出・同定に至っていない.現在、治療抵抗に関わる遺伝子の同定のための他の手法を現在検討中である.
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