2021 Fiscal Year Research-status Report
遠隔臓器におけるNK細胞抑制メカニズムに基づく転移制御治療の開発
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21K16446
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
長谷川 寛 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (50529542)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | NK細胞 / 遠隔転移制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
遠隔転移とNK細胞機能との関連について研究をすすめている。Natural Killer(NK)細胞が抑制されると固形腫瘍遠隔転移が促進される。NK細胞抑制のメカニズムとしてMyeloid derived suppressor cell (MDSC)増加、Circulating tumor cell (CTC)のPDL1・CD47発現があると考えており、大腸癌切除標本を用いて、遠隔転移形式がMDSC typeとCTC typeに分類できるかを明らかにしたい。当院で行った大腸癌手術検体を用いて免疫染色を開始している。CD8、CD33、CD56での免疫を行っており、NK細胞の数・割合、MDSC細胞の数・割合と遠隔転移との関連を明らかにしようとしている。現在は大腸の主リンパ節を対象に免疫染色を行っており、全症例の染色および解析にはまだ時間がかかる状況である。 当初の研究計画の時点では臨床検体を用いた研究だけではなく、動物実験を用いた研究も計画していた。5つのcell line(CT26,4T1,EL4,B16,LLC)と2つの種(BALB/cとC57BL/6)を用いたマウス担癌モデルを用い、MDSCがNK細胞抑制の主な原因であるMDSC typeには抗Gr-1抗体、CTCが主な原因であるCTC typeには抗PDL1+CD47抗体が転移を抑制することを明らかにしようと考えていた。これに関しては実験操作が可能な大学院生など人員の面で実験環境がまだ整備できておらず、進捗は無い。人員が確保できれば動物実験を計画し、研究を進めていく方針である。 臨床検体を用いた研究については予定通りの進捗であり、これを続け、更に発展させていこうと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床検体を用いた研究については予定通りの進捗であるが、動物実験を用いた研究については実験環境の整備が未だである。状況をみてすすめていく方針としている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在行っている臨床検体を用いた研究については、引き続き研究をすすめていく。動物実験を用いた研究については実験環境の整備が未だであり、状況をみてすすめていく。
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Causes of Carryover |
臨床検体を用いた研究については進捗通りであるが、実験動物を用いた研究については計画通りの進捗ではないため。次年度については動物実験の環境整備ができれば開始し、環境整備ができなければ臨床研究を更にすすめていく方針である。
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