2022 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔臓器におけるNK細胞抑制メカニズムに基づく転移制御治療の開発
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21K16446
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
長谷川 寛 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (50529542)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | NK細胞 / 遠隔転移制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌が進行すると腫瘍により誘導されたMyeloid derived suppressor cell (MDSC)が増加し、MDSCによりNK細胞の機能が抑制され、遠隔転移が増加するという仮説に基づき研究をすすめた。 大腸癌患者を対象とし、臨床研究として「結腸癌原発巣・領域リンパ節の免疫環境が 予後に与える影響についての後ろ向き観察研究」(神戸大学倫理審査委員会承認番号B210069)を行った。既存の研究も参考とし、より進行した腫瘍では所属リンパ節のNK細胞数が減少し、MDSCが増加しており、またNK細胞の減少は独立した予後不良因子となると予測し研究を計画した。当院で結腸癌と診断され、結腸切除術を施行したStageⅡ-Ⅲ患者300例を対象とし、所属リンパ節である主リンパ節をCD8(CD8陽性T細胞)、CD33(MDSC)、CD56(NK細胞)で免疫染色し、腫瘍学的予後との関連を調べることとした。主な解析対象は主リンパ節であったが60例を染色した段階で、リンパ節のサイズが標本毎に大きく異なり、1視野あたりのNK細胞数やMDSC数は評価困難であることが分かった。また、評価できた患者においてもNK細胞数と予後との関連に相関は認めず、当初の計画を遂行するのは困難と考えた。 より研究を発展させる為に、NK細胞の数だけではなく、NK細胞の機能を解析した方が良いと考えた。NK細胞の機能としてはNatural Cytotoxicity ReceptorであるNKp45,NKp44,NKp30、さらにNK activating receptorであるNKG2D,CD16が評価可能であり、8種類の細胞表面蛋白を染色しFlow cytometryで解析することとした。これから手術を行う300例の大腸癌患者とした臨床試験を行うため、予備実験を完了し、2023年6月から研究を開始する予定である。
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Research Products
(2 results)