2023 Fiscal Year Research-status Report
高精度で安全な内視鏡外科手術実現に向けたカウンタートラクション定量化技術の評価
Project/Area Number |
21K16449
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
近藤 彰宏 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (60790847)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | カウンタートラクション / 内視鏡外科 |
Outline of Annual Research Achievements |
カウンタートラクション定量化装置を用いた定量化技術評価のため、腹腔鏡手術用のドライボックスを用いて実験を行った。臓器は模擬臓器を利用し、3×4cm大にカットした模擬臓器を用いて実験を実施した。腹腔鏡手術をイメージし、内視鏡およびモニターを用いてモニターを視認しつつ術者は模擬臓器の切離を行った。カウンタートラクション定量化装置で把持した模擬臓器を対側は腹腔鏡用鉗子で把持し、その間を切離した。切離にあたっては、術者が適切と考えるトラクションをかけ、その間を電気メスで切離した。術者は内視鏡外科手術技術認定医(n=3)および非認定医(n=3)に分けて実験を行った。 結果、内視鏡外科技術認定医が切離を行った場合は非認定医が行った場合と比較して切離中のトラクションが一定に保たれる傾向があった。 上記結果は、手術の熟練医は切離中も常に適切なトラクションを自身で調整しつつ切離を進めていることが伺えた。 また内視鏡外科技術認定医が切離を行った場合は非認定医が行った場合と比較して、トラクション強度がやや高いことも示唆された。この結果は手術の熟練医は適切な組織切離を行うため、自身の経験からある程度しっかりした緊張をかけることが求められることを理解しているものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の予定では、実験を大動物を用いて行うことを想定していた。しかしながら、現行のカウンタートラクション定量化装置を大動物に適応することはセッティング面や実臨床に則しているか否かという点で難しく、何度も試行錯誤を重ねたものの難しい状況であった。大動物で実施するには現行の装置をさらに改良したもので行う必要があり、これには時間を要することがわかった。 大動物でなくても実験実施できる環境を計画し、上述の実験を進めているところであり、これは当初の計画より遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年延長することを許可頂いた。そのため、昨年度実施した実験をはじめとして当初の研究計画とは少し異なるもののカウンタートラクション定量化装置を用いた定量化技術の有用性を評価する見通しは立っている。今後は昨年度実施した実験の術者数を増やして集積を重ねること(それぞれn=3づつを想定)、それによって適切なトラクションの絶対値(4分位範囲)を推定する。推定したトラクション値の4分位範囲で模擬臓器切離を行った場合の組織切離時間、サーモグラフィーを用いた温度変化(サーモグラフィーはすでに手元にあり)、切離した組織の病理切片の検討を行い、適切なトラクション値を探索する。
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Causes of Carryover |
本科研費申請書類において計画していた実験を忠実に実施するにあたっては、カウンタートラクション定量化装置のさらなる改良が必要であることがわかった。本事業期間内に改良の上で実験遂行が困難であったため、実験計画の見直しを行った。現行のカウンタートラクション定量化装置で実験可能な計画を改めて見直していたため、当初予定していた事業期間を延長しての追加実験が必要な状況となった。見直し時期は予定していた助成金使用が難しかったため、次年度への使用額が必要となった。
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