2021 Fiscal Year Research-status Report
Usefulness of computational fluid dynamics in surgical field
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21K16450
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
坂元 克考 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50790218)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血行再建 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝胆膵移植手術では、血行再建を要することがある。血行再建の可否は術後生存率に直結する重要な手技である。また単純な1本と1本の血行再建であれば、通常問題となることは少ないが、時に2本の血管に1本の血管を吻合することもある。その際には、血栓性閉塞などのトラブルをきたすことがある。我々は2本の血管に1本の血管を吻合する際には、隣り合う2本の血管を1本に形成してから1本の血管に吻合するが、2本の血管を1本に形成する際に、隣り合う血管壁をV字状に切除し、そこを縫い合わせて1穴化することで、血液の通過断面積を広くすることが有用と考えている。当科における手技の妥当性を検証することが目的である。2001年1月から2022年3月までに当科で施行した2本 vs 1本の静脈再建症例を集積した。肝移植症例を含む15例全例で長期にわたって血行再建部の開存性が得られていた。 また臨床での比較検討が難しい血行再建の方法に関して、当科における方法をコンピュータ流体解析にて行った。単純に2本を合わせて1本化する方法と当科のようにV字に形成する方法の3Dモデルを作成し、解析した。V字形成症例では、しなかった方法を比較して、流速が遅く、圧が低かった。。その理由としては、血流通過面積がV字形成によって大きく得られるためと考えられた。またV字形成では、血栓形成の原因となり得る壁面ずり応力も小さかった。これは中央部の血流の速い部位でのV字に形成したことによる効果であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
仮説に沿った研究結果が得られたため、現在論文作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
まず第一の目標に関しては、良好な結果が得られたため、学会および論文報告を行う予定である。そのほかにもコンピュータ流体解析と外科学との応用が可能な研究アイデアがあるため、それらの研究も進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行により現地参加の国際学会および国内学会がWeb参加となったため、旅費が少なかった。 現在英文論文を作成中であり、翌年度分とあわせて、英文校正費用として使用予定である。 また今後学会参加予定があるため、その旅費などとする予定である。
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