2022 Fiscal Year Annual Research Report
IPMNオルガノイドモデルの創出と遺伝子スクリーニングによる悪性化機序の解明
Project/Area Number |
21K16451
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
奥村 隆志 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (00883422)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | IPMN / 膵オルガノイド / IPMN微小環境 / scRNA-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
膵管内粘液性腫瘍(IPMN)は膵嚢胞性腫瘍の一つで、膵癌の前駆病変であることが知られているが、その悪性化に関わる分子生物学的機序についてはまだまだ解明されていない。IPMNの多くは低悪性度腫瘍であるが、一旦癌化すると通常型膵癌と同様に早期に転移、浸潤をきたす。IPMNはKRAS、GNAS、RFN43といった遺伝子変異を有することが分かっているが、その悪性化過程でどのように遺伝子が蓄積し、周囲微小環境を改変していくかについては未だ不明である。IPMNの悪性化の過程を分子生物学的に明らかにすることはIPMNの癌化の早期発見、あるいは癌化の予防につながると期待される。 本研究ではIPMNの疾患モデルとして膵オルガノイドとそれを用いたsyngenic mouse modelを確立し、IPMN癌化メカニズムの解析に応用することを計画し、将来的なIPMN悪性化の過程での血液マーカーの探索、あるいは微小環境を介したIPMNの癌化抑制治療の開発を目的としている。 これまでにオルガノイドの樹立に関して手技は安定したが、遺伝子変異挿入による4種のIPMNオルガノイドの作成は困難であった。今年度はKPCマウスや胃癌、食道癌の手術検体を用いたscRNA-seq解析の解析手技を確立し、食道癌・胃癌における腫瘍免疫微小環境を評価した。食道癌では腫瘍内リンパ球による腫瘍免疫応答が腫瘍制御に関与していること、胃癌では単球系MDSCが胃癌免疫抑制微小環境の形成に関わっていることを明らかにした。
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[Journal Article] Single‐cell transcriptome analysis reveals functional changes in tumour‐infiltrating B lymphocytes after chemotherapy in oesophageal squamous cell carcinoma2023
Author(s)
Nakamura S, Ohuchida K, Ohtsubo Y, Yamada Y, Tsutsumi C, Okuda S, Hisano K, Mochida Y, Shinkawa T, Iwamoto C, Torata N, Mizuuchi Y, Shindo K, Nakata K, Moriyama T, Torisu T, Nagai E, Morisaki T, Kitazono T, Oda Y, Nakamura M.
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Journal Title
Clinical and Translational Medicine
Volume: 13
Pages: e1181
DOI
Peer Reviewed
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