2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new pancreatic cancer biomarker using serum TFPI2
Project/Area Number |
21K16455
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
清水 康博 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (90897208)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 膵癌 / バイオマーカー / リキッドバイオプシー / TFPI2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では膵癌患者の血清を前向きに大規模に収集し、膵癌診断マーカーの有効性を明らかにすることを目的としている。 ・TFPI2の膵癌診断性能の評価 本研究において膵癌症例60例、膵嚢胞性疾患患者20例の血清の回収を完了した。そのうち膵癌患者35例の血清を用いてTFPI2の測定および解析を行った。患者平均年齢は71.4歳(50-87)、性別は男/女=19/16、StageはI/II/III/IV=17/7/6/5であった。血清TFPI2値の平均は229.6±116.3pg/ml、Stage別ではI/II/III/IV=218.2:242.7:173.5:351.4であった。血清TFPI2値は腫瘍径や性別、下肢静脈血栓の有無、既存マーカー(CEA・CA19-9)との相関は認めずなかった。先行研究でのcut off値(168pg/ml)を用いると、陽性率は24/35(68.6%)で、CEA 11/35(31.4%)、CA19-9 20/35(57.1%)を上回る結果であった。また、血清TFPI2陽性 and/or CA19-9陽性で33/35(94.3%)でCA19-9との組み合わせで早期症例を含めて膵癌患者の拾い上げに有効な可能性が示唆された。同様に既存マーカーであるSPAN1やDUPAN2においても、それらが陰性症例においてもTFPI2陽性の群が認められ、組み合わせで診断感度の上昇に寄与する可能性が示唆された。一方で血清TFPI2値はCRPやD-dimerとの相関関係が認められた。さらなるデータの集積により、これらの結果の再現性を得られるか検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例集積を完了させ、中間報告を行った。概ねロードマップ通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は集積した全症例の測定を行い、有効性を検討を進める。また、健常人血清を用いた至適cut offの設定を行う。さらには、膵癌治療開始前後の血清TFPI2値の推移をモニタリングし、治療効果判定や再発モニタリングに有用か検討を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス蔓延による出張費の削減、残存した測定試薬や物品を用いて測定を行うことができたためコスト削減に至った。
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