2021 Fiscal Year Research-status Report
肝類洞閉塞性症候群における血小板凝集に着目した新規バイオマーカーの探索
Project/Area Number |
21K16460
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
宮田 隆司 金沢医科大学, 医学部, 講師 (60765949)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肝類洞閉塞症候群 / 大腸癌 / 肝転移 / ヒアルロン酸 / 血小板 / 肝線維化 / 脂肪肝 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝類洞閉塞症候群(SOS)は抗癌剤などの薬剤が惹起する重篤な肝障害であり、肝臓切除後の合併症や残肝機能低下のリスク因子で、重症の場合は80%の致死率に至るとされる病態で、いまだ有効な予防法や治療法は確立されていない。さらにこの肝障害は背景肝の微小環境変化を惹起し肝転移を促進する可能性まで報告されている。 まずはSOSの早期発見のために、予備実験として実臨床においてSOSを惹起することが判明している抗癌剤をしようしている患者を後方視的に調査し、その肝障害の程度を肝機能や血小板、ヒアルロン酸を含む採血結果と、脾臓容積を含むCT画像検査にて評価した。その結果、肝機能の上昇と、ヒアルロン酸の推移、そして脾臓容積の変化が有意に相関していることが判明し、それを原著論文としてCANCER DIAGNOSIS & PROGNOSISの雑誌にHyaluronic Acid May Be a Predictive Biomarker for Thrombocytopenia and Liver Dysfunction After Oxaliplatin-based Chemotherapyとして投稿しアクセプトされた。さらに、現在は背景肝が障害をうけている患者とそうでない患者で群分けを行い、肝転移が術後に有意に生じることを学会発表を行い、現在は論文も作成中である。 現在はこの実験をもとに、さらに基礎実験でマウス実験を進めている最中である。現在はマウスにおいて肝障害を惹起させてコントロール群を作成は完了した。今後はさらに、基礎実験の視点からも肝障害度を発見するバイオマーカーの検討と、肝転移促進の検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝類洞閉塞症候群(SOS)は抗癌剤などの薬剤が惹起する重篤な肝障害であり、肝臓切除後の合併症や残肝機能低下のリスク因子で、重症の場合は80%の致死率に至るとされる病態で、いまだ有効な予防法や治療法は確立されていない。さらにこの肝障害は背景肝の微小環境変化を惹起し肝転移を促進する可能性まで報告されている。 現在は予備実験としての臨床患者からSOS患者の検討を行い、肝障害の程度を肝機能や血小板、ヒアルロン酸を含む採血結果と、脾臓容積を含むCT画像検査にて評価した。その結果、肝機能の上昇と、ヒアルロン酸の推移、そして脾臓容積の変化が有意に相関していることが判明し、それを原著論文としてCANCER DIAGNOSIS & PROGNOSISの雑誌にHyaluronic Acid May Be a Predictive Biomarker for Thrombocytopenia and Liver Dysfunction After Oxaliplatin-based Chemotherapyとして投稿しアクセプトされた。さらに、現在は背景肝が障害(薬剤性ではなく脂肪肝ではあるが)をうけている患者とそうでない患者で群分けを行い、肝転移が術後に有意に生じることを確認し、学会発表を行い、現在は論文も作成中である。 さらに、上記を踏まえ、基礎実験においても薬剤性肝障害モデルマウスを作成した。コントロール群と採血項目や背景肝の病理組織学的評価を今後行うところである。さらには肝障害モデルにおいて肝転移モデルも作成し、その差を確認を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは臨床結果での脂肪肝患者の肝転移促進に関する論文を投稿する。 さらには基礎実験も進め、SOSのバイオマーカーの検討、さらには肝障害モデルにおいて肝転移モデルも作成し、その差の確認を行う予定である。
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Causes of Carryover |
まずは臨床における予備実験を中心に行ったため、当初の予定より基礎実験費用の支出が少なくなった。今後は基礎実験中心となるためにマウスはじめ基礎実験費に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)