2023 Fiscal Year Research-status Report
炎症性腸疾患症例より構築した細胞におけるオートファジー動態個別化解析
Project/Area Number |
21K16464
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
安枝 明日香 東洋大学, 食環境科学部, 助教 (10745871)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 炎症性腸疾患 / オートファジー / 腸管マクロファージ / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究にて同定したオートファジー誘導物質の腸炎緩和能について、マウスからヒトに発展させ、同様のメカニズム(対象とするサンプルが、腸管のマクロ ファージにおいて、オートファジーを亢進させることにより、炎症性サイトカインの減少、非炎症性サイトカインの上昇を介した腸炎緩和を誘導した)でヒト由来サンプルでも確認できるかということを目的に検討を実施した。 ①オルガノイドの樹立・サンプル添加実験:本年度は試験サンプルを添加し、オートファジーについてサンプル添加によるわずかな誘導が確認できた。シーケンス解析ならびに複数シグナルの確認を実施中 ②対象症例腸管粘膜固有層由来マクロファージにおける有効性の検討:炎症性腸疾患の手術時サンプルを採取し、FACSにて腸管マクロファージをソート、培養し、サンプル添加によるオートファジー誘導の差異を検討している。実験十分量の細胞生存率を得ることが困難であることから、来年度も引き続き方法の確立を目指す。 ③試験サンプル有効成分の同定:昨年同様に試験サンプル中の有効成分を同定すべく、複数分画(エーテル層、ブタノール層、酢酸エチル層、水層等)にて分画物を分取し、マウス由来マクロファージを刺激した条件で試験サンプルを添加、炎症状態について検討した。複数の分画層において、炎症マーカーの抑制が確認されたものを細分化する検討を続けている。今後、炎症緩和に有効性を示している物質を同定し、再度マウスへの投与実験、オルガノイドへの投与実験を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①オルガノイドサンプル添加実験 炎症性腸疾患患者、炎症部由来のオルガノイド構築が困難である(症例希少性ならびに安定性の問題による) ②対象症例腸管粘膜固有層由来マクロファージにおける有効性の検討 分離については概ね順調に進んだものの、後のサンプル添加実験における再現性が取れない ③試験サンプル有効成分の同定 時間がかかるものの概ね順調に進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
マウスにおける先行研究においては、対象とするサンプルが、腸管のマクロファージにおいて、オートファジーを亢進させることにより、炎症性サイトカインの減少、非炎症性サイトカインの上昇を介した腸炎緩和を観察している。 関与成分を同定し、その成分が同程度の有効性を示すのか、もしくは複数の成分が関与しているのか、in vitro, in vivo実験双方で確認する。また症例由来の細胞、オルガノイドに添加し、その有効性を確認する。
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Causes of Carryover |
初年度、2年目にCOVID-19感染拡大による出張制限により、想定していた回数の出張(サンプル収集)を行えなかったため残金が生じ、その繰り越しが次年度使用額となった。
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