2022 Fiscal Year Research-status Report
3次元細胞培養による胃癌術中散布癌細胞の腹膜生着機序の解明と個別化治療への応用
Project/Area Number |
21K16471
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
竹林 克士 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70452240)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 胃癌 / 細胞培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
胃癌腹膜播種再発の一因が手術操作による腹腔内への癌細胞散布であることを、2次元細胞培養を用いて報告してきたが、散布癌細胞が腹膜播種形成に至るかは個々の症例で異なる。癌細胞の存在以外に何らかの機序が関与することが推察され、3次元細胞培養を用いることで、より生体に近い条件での再現性が得られると考え、同手法で転移再発機序の検証を進めている。 胃癌切除後に採取した腹腔内洗浄液で細胞培養を行い、その生存性およびマウスへの腫瘍細胞の生着が起こるかを検証した。また、生着し形成した腫瘤におけるCD44などの癌幹細胞マーカーをはじめ病理組織学的所見を検証したが、形成腫瘤に特異的なマーカーなどは認めていない。癌腫の形成を認めた際には腫瘍の増殖・転移に関連すると考えられるVimentinなどの間葉系マーカーや接着因子、Hypoxia Inducible Factor、Fibroblastの発現を比較していく予定である。また生着する上で細胞数が多い方が形成しやすい可能性も高いので、細胞培養による増殖細胞数の評価も加えたうえで、今後も検体を集積し、腫瘍性形成能を評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
胃癌切除後腹腔内洗浄液の検体が予定より少なかったこと、細胞培養にて癌細胞の増殖を認める症例が少なく、腫瘤形成に至った症例が少なかったことが原因と考えられる。そのため、各種の癌特異的マーカーの発現の評価が不充分であった。
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Strategy for Future Research Activity |
検体の集積、増殖した癌細胞スフェロイドをNOD-Scidマウスの腹腔内に投与するが、細胞培養期間をより長く行い、細胞個数の総数を増やして投与する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、検体数が想定より少なかったことがあり、実験動物や試薬を必要とする量が少なかった。そのため、次年度以降の検体を用いた動物実験に主に使用する予定である。
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