2021 Fiscal Year Research-status Report
過小グラフト症候群の病態解明を目指した肝移植・肝切除後 肝内門脈のMRI血流解析
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21K16472
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小木曾 聡 京都大学, 医学研究科, 助教 (10804734)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肝静脈 / 門脈 / 血流解析 / MRI / 肝切除 / 血流障害 / 肝移植 / 数値流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット90%肝切除モデルにおける門脈血流変化を7テスラMRIを用いて解析を行い、70%肝切除モデルにおける門脈血流変化との比較を行った。また、その血流情報と切除後の残肝の再生および遺伝子/タンパク発現との関係を現在解析中である。 また、左葉グラフトを用いた肝移植後の肝静脈血流を、CT画像に基づいたcomputational fluid dynamics を用いて解析した。14例を対象に解析を行い、主肝静脈の吻合部狭窄としてIVRを施行された症例では、解析で得られた圧較差が有意に5mmHg以上と高値であることが確認された。これにより、移植後の肝静脈outflow blockが疑われる場合には、血管造影を行わずに非侵襲的に診断が可能であることが示唆された。さらに、肝静脈吻合にに有意な圧較差のある症例では、移植後の腹水が遷延し、グラフト肝の再生が不良であることが明らかになった。これらのことから、肝静脈圧較差が生じる症例では、早期に診断し早期に治療介入することの必要性が示唆される結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラット肝切除モデルに対する撮像および画像解析は順調に進めており、最終のデータ解析中である。また、ヒトに対するMRIの撮像は、コロナウイルスの影響により進められなかったが、CT画像に基づくComputational fluid dynamicsによって解析を進め得た。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット肝切除モデルに対するMRI解析については画像データの最終解析を終え、残肝の遺伝子・タンパク発現および血中の各種サイトカインの発現についてアッセイを進めた後に論文化の予定である。また、肝移植後の肝静脈血流に対するcomputational fluid dynamics 解析についても、論文投稿を準備中である。
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Causes of Carryover |
概ね予定通りに研究を進め予算を消化したが、外注する画像解析の1回当りの費用が高額であり、残額では不足した。このため、この残額を次年度に持ち越して、解析費用に当てることとした。
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[Presentation] Fluid dynamics analyses of the portal vein flow changes after hepatectomy using 7T 3D PC-MRI2021
Author(s)
Y. Oshima, S. Ogiso, H. Imai, M. Nakamura, K. Makino, S. Wakama, K. Tomofuji, T. Ito, K. Fukumitsu, T. Ishii, T. Matsuda, E. Hatano
Organizer
International Liver Congress, European Association for the Study of Liver
Int'l Joint Research
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[Presentation] 肝切除後の3D PC-MRIを用いた経時的門脈血流解析2021
Author(s)
大島 侑, 小木曾 聡, 今井 宏彦, 中村 匡徳, 牧野 健太, 若間 聡史, 友藤 克博, 伊藤 孝, 福光 剣, 石井 隆道, 松田 哲也, 田浦 康二朗
Organizer
第121回日本外科学会