2022 Fiscal Year Annual Research Report
エンハンサー解析手法を用いた膵胆管合流異常での発癌メカニズムの解明
Project/Area Number |
21K16481
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
本間 祐樹 横浜市立大学, 医学部, 講師 (60567618)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膵胆管合流異常 / 胆嚢癌 / エンハンサー解析 / CAGE |
Outline of Annual Research Achievements |
当期の研究活動として、消化器癌の新規バイオマーカー探索のために消化器領域の臨床検体からRNAを抽出し、297例に対してCAGE解析、68例に対してRNA-seq解析という大規模なトランスクリプトーム解析を実施した。詳細は下記の通りである。 2022年4-5月に、消化器領域における癌検体数を当初予定していた60例から342例 (食道癌11例、胃癌57例、肝臓癌51例、胆嚢癌39例、膵臓癌55例、大腸癌129例) にスケールア ップし、全検体に対してRNA抽出を実施した。6-7月には、転写産物の構造を同定するためのRNAシークエンス (RNA-seq) 解析を合計68例 (食道癌2例、胃癌5例、肝臓癌17例、胆嚢癌13例、膵臓癌16例、大腸癌15例) に対して実施した。8月には、転写開始地点やエンハンサーを同定するためのCAGE (Cap Analysis of Gene Expression) 解析のための実験手法を確認・習得し、9-11月にかけて合計297症例 (食道癌9例、胃癌49例、肝臓癌45例、胆嚢癌34例、膵臓癌44例、大腸癌116例) に対してCAGE解析を実施した。12月以降はこれまでに作成したRNA-seqとCAGE解析用のサンプルを、次世代シークエンサーを用いて解析可能なデータへと変換し、得られたデータをもとにトランスクリプトーム解析を開始した。 これらの研究の中で、胆嚢癌の症例はRNA-seq解析で13例、CAGE解析で26例含まれており、その中で、膵胆管合流異常を合併した胆嚢癌症例は3例であった。シークエンスで得られたデータの解析も既に開始しており、来年度以降の新規バイオマーカー検索に向けて大きく期待される。
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