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2022 Fiscal Year Research-status Report

低侵襲化を目指した心筋保護液の開発 ~虚血合併心筋に対する虚血許容時間の延長~

Research Project

Project/Area Number 21K16503
Research InstitutionJikei University School of Medicine

Principal Investigator

井上 天宏  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00349557)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords虚血心筋 / 心筋保護液 / ビタミンB1 / 動脈管 / 平滑筋細胞 / スフェロイド / プロスタグランジン / ヒアルロン酸
Outline of Annual Research Achievements

これまでに心停止中の心筋の虚血許容時間を延長することができる心筋保護液の新規開発を目的に研究を行ってきたが、本年夏まで実験を行った結果、ビタミンB1添加の心筋保護液が虚血許容時間を延長するとした仮説を実証することは困難と考えられたため研究内容を変更し、当教室でこれまで行ってきた研究実績をもとに新たな心血管研究を発案した。
今年度途中からは胎児動脈管から血管平滑筋細胞を採取、継代により細胞を増殖させたのち、スフェロイド(細胞塊)を作製する研究を行っている。動脈管は肺動脈と下行大動脈の間をシャントする胎児循環には必須の血管であるが、出生し呼吸を始めた時点から閉鎖に導かれる非常に興味深い特徴を持った血管である。動脈管は胎児期にしか存在しないため採取が比較的難しく、酸素応答性や薬物添加による経時的変化を動脈管組織を用いて行おうとしても脆弱性により組織が劣化するため適さない。そこで動脈管から血管平滑筋細胞を抽出し、細胞を集合体にしスフェロイドを作製することで、in vivo環境に類似した3Dでの細胞の動態を観察することが可能になると考えた。
これまでに行った実験では、プロスタグランジン刺激によるヒアルロン酸産生量は、細胞数あたりでは動脈管平滑筋細胞スフェロイドはシャーレ培養2D平滑筋細胞に比べ低下していたが、細胞外基質や細胞間接着関連タンパク質のmRNA発現は2D細胞環境と組織環境の中間的位置を示した。これまでの動脈管研究はシャーレ培養状態での実験が主であったが、動脈管平滑筋細胞のスフェロイド化は、よりin vivoに類似した環境で細胞動態を観察することができるとともに、薬剤や酸素への反応性を生化学的評価のみならず組織学的評価を行うことができるツールであると考えられた。
これまでの実験結果は、2023年3月に行われた第100回日本生理学会総会でポスター発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

これまでの実験結果を鑑みると、本研究課題を実証することは困難であると判断し、今年度途中より研究内容を変更して研究を継続している。

Strategy for Future Research Activity

上記のように、研究内容を変更して研究を継続している。
今後は動脈管平滑筋細胞スフェロイドをプロスタグランジン刺激して、スフェロイドの薬物反応性を経時的に、組織学的に評価する予定である。プロスタグランジン刺激後の各時間におけるスフェロイドから切片を作製し、各種染色を行うことで充填された細胞の状態を観察するとともに、電子顕微鏡を用いて薬剤添加後のスフェロイドの表面構造を観察することを計画している。

Causes of Carryover

研究の方針、内容に変更が生じ、研究費を使用しなかった期間があったため。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 胎児ラット動脈管平滑筋細胞を用いた3DスフェロイドのPGE1応答性2023

    • Author(s)
      井上 天宏
    • Organizer
      第100回日本生理学会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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