2021 Fiscal Year Research-status Report
胸部悪性疾患に対するCD44-IR700結合体を用いた近赤外光線免疫療法の確立
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21K16507
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
氏家 秀樹 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (70869825)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 光免疫治療 / 近赤外光線免疫療法 / がん幹細胞 / アブスコパル効果 / レーザー治療 / マウス肺癌モデル / IR700 / CD44 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,肺癌、悪性胸膜中皮腫などの胸部悪性腫瘍に対し、癌幹細胞のC D44をターゲットとした、「CD44抗体-IR700結合体」による光免疫治療(NIR-PIT)を確立することである。研究期間内に、「CD44抗体-IR700結合体」を利用したNIR-PITを確立し, NIR-PITスコープを開発する。また、In vitro, In vivoレベルで治療効果を検証し、「アブスコパル効果」を肺癌同所性モデルで検証し、ヒトへの臨床応用を目指す。初年度の目標として、 ①「IR700」特異的なNIR-PITスコープの開発: 細径ファイバースコープを、IR700のレーザー波長で使用できるように調整し、ストレートタイプのレーザーファイバーでより広い範囲にレーザー照射可能なNIR-PITスコープを開発する。 ②細胞株を用いた「CD44抗体-IR700」のがん細胞への集積確認と治療効果の評価(In vitro): マウスがん細胞株 (マウスCD44(+)肺癌:LL/2 cellマウス/ヒト CD44抗体:IM7マウスCD44(+)中皮腫:AB22) を用い,CD44発現をwestern blotで確認し,CD44陽性株と陰性株を同定する。In Vitro実験では陽性株に「CD44抗体-IR700」を導入後,FACS/蛍光顕微鏡を用い細胞への集積性を確認する。レーザー照射を行い,MTS assayにより壊死細胞の評価を行い、治療効果判定を行うことを目標とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、進行状況としては、やや遅れている。 ①「IR700」特異的なNIR-PITスコープの開発: に関しては、研究協力機関と作成中であるが、昨今のCOVID-19の影響で、北海道と本州の往来が難しく、対面で作業の確認を行うことができないため、試作品を作成しては、郵送しての確認作業中であり、時間的な制約もある。 ②細胞株を用いた「CD44抗体-IR700」のがん細胞への集積確認と治療効果の評価(In vitro): に関しては、マウスがん細胞株 (マウスCD44(+)肺癌:LL/2 cellマウス/ヒト CD44抗体:IM7マウスCD44(+)中皮腫:AB22) を用い,CD44発現をwestern blotで確認し,CD44陽性株と陰性株を同定は現在、概ね良好だが、上記の理由から、レーザー照射が行えておらず。停滞している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
推進方策としては、現状、レーザー照射のファイバーの作成が停滞しているため、まずは、vitro実験を中心に行い、既存のレーザー照射装置を用いて、治療効果判定をしていく。今後、動物を用いたvivo実験を始めていくが、場合によっては、照射ファイバーの開発を待たずに、既存のレーザー照射装置を用いて、治療効果判定を行なっていく。
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Causes of Carryover |
①「IR700」特異的なNIR-PITスコープの開発 を継続して行うため、開発費用が必要となる。②皮下腫瘍/肺癌同所性モデルを用いた「CD44抗体-IR700」の腫瘍集積性の確認(In vivo)③皮下腫瘍/肺癌同所性モデルを用いた「CD44抗体-IR700」の治療効果の評価(In vivo)④アブスコパル効果の評価(In vivo) を順次、進めていくので、動物実験に必要な経費が必要となる予定である。
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