2023 Fiscal Year Annual Research Report
小細胞肺癌の幹細胞維持及び薬剤耐性化におけるNotch signalingの役割
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21K16517
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
本岡 大和 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (30873583)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小細胞肺癌 / 癌幹細胞 / 化学療法耐性化 / Notch signaling |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究実績は以下の通りである。 Step1の外科的切除SCLC検体を対象とした評価は過去10年分30症例を解析したが、Notch2陽性症例が少なかったこともあり発現量と予後の相関は見いだせなかった。Step2およびStep3のFACSでNotch2高発現細胞と低発現細胞をそれぞれ回収し、ヌードマウスへ皮下移植したものの、安定して生着せず。細胞数の問題と考えられたためFACSで回収したNothch2高発現、低発現細胞をそれぞれ培養にて細胞数を増やしたものの、培養によりNotch2発現強度が変わったため断念した。Step3薬剤耐性化SCLC細胞を用いたRNA-Seq法を用いた解析では、Notch高発現細胞と低発現細胞の間でアポトーシスに関連する遺伝子の発現強度が異なることを見出した。 研究期間全体として、以下の成果を得た。 Step1の臨床検体を用いたNotch2発現量と臨床経過の比較からはNotch2を発現している症例の割合が低いことと、そのため評価には相当量の症例数を要することが分かった。Step2, Step3のSCLCの細胞株を用いたNotch2機能解析を通して、Notch2のFACSにおいてはある種の交代は適していないこと、Notch2発現強度が細胞によってヘテロである事、発現強度によりコロニー形成に差異がある事を見出した。RNA-Seq法を用いた解析の結果、Notch2高発現細胞と低発現細胞ではアポトーシスに関連する遺伝子の発現強度が異なったことから、これがコロニー形成能に影響しているものと推測された。
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