2022 Fiscal Year Research-status Report
EGFR遺伝子変異陽性pN1-2肺癌術後の予後に関するシグナル経路・分子の解明
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21K16519
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Research Institution | Kanagawa Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
伊坂 哲哉 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, 医師 (10769219)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 逆相蛋白質アレイ解析 / EGFR遺伝子変異陽性肺癌 / tissue microarray |
Outline of Annual Research Achievements |
逆相蛋白質アレイ解析(RPPA)による病理学的にリンパ節転移を有する(pN(+)) EGFR L858R点突然変異陽性肺癌 (Ex21)で特異的に活性化するシグナル因子を同定すべく, EGFR exon19 deletion変異陽性肺癌(Ex19)を含めた症例の選抜, 新規の抗体選定, 少数例でのRPPA解析を行ってきた。今まで少数例 (Ex21 10例, Ex19 7例)を用いてRPPA解析を行い, 解析条件の検討を行った.昨年は対象とするEGFR遺伝子変異肺癌症例選定を増やし, Ex21 66例, Ex19 63例, 合計129例を再選抜した. これまでEGFR/MAPK経路, PI3K-AKT経路に関連した16種の抗体を選定したが, 今年度は新たにRBM10抗体, PD-L1抗体, p53抗体を追加選抜した. この3つ抗体の臨床的な意義を確認すべく, pN(+) Ex21およびpN(+)Ex19のEGFR遺伝子変異陽性肺癌129例のtissue microarrayを作成した. RBM10の役割の解明目的に,作成したtissue microarrayを用いてRNAscopeによるRNA in situ hybridizationにてRBM10の局在を確認した.今年度3つの抗体とpN(+)EGFR遺伝子変異陽性肺癌の予後との関連性およびEGFR-TKIへの奏効性との関連性の解析結果が得られたので, 本結果については論文作成中である. 今後は追加したこれら新規抗体を用いてpN(+)Ex21で活性化している蛋白を網羅的に解析し, 予測した悪性化進展シグナル経路の妥当性を多症例で検証していく予定である. そして引き続きpN(+)Ex21変異肺癌に特異的に発現する蛋白質をターゲットとした治療薬の開発を目指していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度Tissue microarrayを作成し, RPPAで必要な抗体については再選抜できた. しかし選定したRBM10についての臨床的な意義がわかっていなかったため, RBM10の肺癌に対する臨床的意義を解明することにおいて時間を要した. 今回RBM10が病理学的にリンパ節転移を有するEGFR L858R点突然変異陽性肺癌の予後がEGFR-TKIの奏効性に重要である分子が判明できたため, RBM10を含めた選抜できた抗体, 再選抜した多症例を用いてRPPA解析を行っていきたい.
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Strategy for Future Research Activity |
抗体の選別ができたため, pN(+)Ex21およびEx19の多数症例を用いたRPPA解析を行っていく予 定である.
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Causes of Carryover |
次年度は選定した抗体の購入, RPPA解析に関わる試薬などの購入が必要となる。
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