2023 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージ活性化制御による肺線維症およびその急性増悪に対する治療の確立
Project/Area Number |
21K16520
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
宮本 光 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (20803092)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 特発性肺線維症 / 急性増悪 / BLM / LPS |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性肺線維症急性増悪治療薬の開発を目標に、①NR8383(ラット肺胞Mφ)を用い、Mφ の分極制御による肺線維症の急性増悪進展抑制に有効な化合物の探索(in vitro)、②探索した化合物のラットモデルにおける有効性の確認、③その作用機序の解明を目的とし研究をすすめた。 ①NR8383はM1型Mφ、M2型Mφに分極することで、それぞれM1マーカーであるiNOSとM2マーカーであるCD206タンパク量が増加した。試験化合物の有無でiNOSタンパク量は変化しなかったがCD206タンパク量を有意に減少させた。試験化合物は単球由来浸潤Mφおよび組織在住MφのM2への分極を直接抑制することで線維化進展を改善した可能性が示唆された。 ②7週齢の雄性Wister系ラットを用いてBLM (1.5 mg/mLPBS)気道内投与により間質性肺炎を惹起した。さらにBLM投与後14日目より3日毎に3回、LPS (0.075 mg/mLPBS)を気道内投与し実臨床に近侍した間質性肺炎モデルを確立した。本モデルにおいて試験化合物の摂取により炎症細胞浸潤、線維化関連指標の増加および線維化の亢進を抑制することが明らかとなった。 ③新規化合物がマクロファージの分極制御により肺線維化の進行を抑制している可能性がしさされた。一方で、肺組織中の上皮間葉移行関連マーカーの変化も認められている。試験化合物による2型肺胞上皮細胞の上皮間葉移行を介した線維化抑制作用について検討中である。
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