2021 Fiscal Year Research-status Report
A study on B cell biomarkers associated with checkpoint inhibitors in lung cancer
Project/Area Number |
21K16521
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
鎌田 稔子 国際医療福祉大学, 医学部, 助教 (60586692)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害剤 / B細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は本研究の研究実施機関において倫理審査の承認を得て、合計19例の研究対象者の登録を行った。そのうち、15例の切除不能進行・再発非小細胞肺癌患者において免疫チェックポイント阻害剤治療前、治療開始後3週、治療開始後9週に15mLの血液を採取し、末梢血リンパ球を分離した。残り4例においては検体採取を開始した。また、全19例において診断、治療経過、治療効果、有害事象の有無、予後の記録を同時に進めた。 血液検体採取が完了した15例中12例において、末梢血リンパ球の表面マーカーの解析をフローサイトメトリーにて行い、T細胞(CD3, CD8, CD4)、B細胞(CD19, CD20, CD38, CD138, CD27, IgD)、NK細胞、NKT細胞などのリンパ球分画の変化の解析を行なった。特にB細胞についてはclass switched memory B細胞、non-class switched memory B細胞、naive B細胞、transitional B細胞の分画を詳細に検討した。B細胞のサイトカイン産生能や免疫グロブリン産生能については、B細胞の割合が低い症例では単離が困難なことが予想されたので、細胞内染色での評価が可能な系を確立し、IL-10, TNF, IL-6の産生能とIgG, IgMの産生について2例で検討した。さらにこの2例においてT細胞と NK細胞を刺激し、細胞内染色によるサイトカイン(IFNg, TNF, IL-2)産生能についても解析を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は対象症例を30例、研究期間を3年として計画している。現在、すでに19例の登録を行い、目標症例数の半分である15例において末梢血検体採取が終了しており、表面マーカーの解析も12例において実施できている。研究課題に関与するB細胞のサイトカイン産生能・免疫グロブリン産生を評価する系も確立できており、今後2年間でさらなる症例の登録を行うとともに、解析を進め完了することが可能と考える。また、定期的な予後調査は診療録を通して行い、治療開始前の生検検体のリンパ球マーカーなどの解析については今後実施する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度中に目標症例数である30例の登録と末梢血検体採取を完了し、リンパ球表面マーカーの解析も概ね終了することを目指す方針である。B細胞のサイトカイン産生能と免疫グロブリン産生の解析と予後調査は2022年-2023年度に継続して行う。治療開始前の検体の解析と再生検時の検体の解析を病理医の協力のもと2022年度中に開始し、2023年度においては研究成果の学会発表、論文作成を行っていく構想である。
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Causes of Carryover |
B細胞のサイトカイン産生能や免疫グロブリン産生を評価する系の確立に時間を要したため、解析に使用する試薬の購入が予定より少なくなり、次年度に繰り越すこととなった。2022年度に解析をすすめるため、繰り越し額を試薬購入に使用する予定である。
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