2022 Fiscal Year Research-status Report
Neurological analysis: the influence of sleep disorder on chronic postsurgical pain
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21K16534
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
伊東 久勝 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (60736388)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 慢性痛 / 睡眠障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究から睡眠障害は痛みの閾値および強度を増悪させることが示唆されてきた。しかしながら、旧来の睡眠障害モデルは物理的刺激で睡眠を中断させる断眠モデルであり、現代人の睡眠障害を正確に反映していない。本研究では、水上の回転ホイールで飼育する特殊ケージ(PAWWケージ)によってマウスに慢性的な不安ストレスを与え、自発活動を促すことによって睡眠-覚醒リズムを障害する新規睡眠障害モデルを採用した。 C57Bl/6J雄性マウスを二週間PAWWケージで飼育したところ、活動リズムが乱れた睡眠障害が起きることが確認された。 同様のスケジュールでPAWWケージまたは通常ケージで飼育した後に、術後痛モデルとして足底切開を行った(Brennan et al, 1996)。術後2時間、1、3、5、7、 10、14日後にvon Freyテストを施行して術後痛の回復の過程を評価した。その結果、通常ケージ群では3-5日で痛み反応が回復したが、PAWW群は痛みの回復に14 日間を要した。PAWW飼育開始から足底切開を行うまでの間にκオピオイド受容体拮抗薬であるnor-BNI(10mg/kg, i.p.)を投与したところ、PAWW群は痛みの回復遅延が改善した。PAWWモデルは不安と自発的運動による睡眠-覚醒リズムの障害を主とした睡眠障害を呈し、過食行動や体温異常などの自律神経障害を伴うことが知られており、 発症過程と症状が現代人の睡眠障害に酷似している。本研究ではPAWW法によって作成した睡眠障害モデルにおいて、術後の痛みの回復が遅延するが、κオピオイド受容体を拮抗することによって回復遅延が改善する可能性を前臨床的実験によって証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は大きな計画の変更なく予定通り順調に進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでと同様のスケジュールでPAWWまたは通常ケージで飼育しているマウスに予め薬物を投与した上で足底切開あるいは坐骨神経結紮手術を施し、痛みが回復するまでの期間を評価する。現在調査できていない睡眠効果を持つ抗うつ薬および新規睡眠薬について調査する。標的分子のオリゴDNAを基に作製したκオピオイド受容体を標的とするCRISPR-CAS9をアデノ随伴ベクターに搭載し、睡眠に関する脳領域(視床下部、帯状回、脳幹網様体など)に微量注入し、痛みの回復に与える影響を評価する。
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Causes of Carryover |
研究計画が予定通り進行し想定よりも必要経費が少なかったため次年度使用額が生じた。翌年度分として請求する助成金は、研究計画どおり使用予定の薬物購入に使用する。
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Research Products
(4 results)