2022 Fiscal Year Research-status Report
オキシトシンの治療応用を目指した慢性痛の心理社会的要因と生化学的指標との関連研究
Project/Area Number |
21K16537
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
松島 淳 佐賀大学, 医学部, 助教 (90773151)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 慢性痛 / オキシトシン / 自閉スペクトラム傾向 / 心理社会的要因 / トランスレーショナルリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、慢性痛に対するオキシトシンの臨床的応用の可能性を探るために、慢性痛患者における痛みと心理社会的要因、そしてそこに媒介している生化学的指標との関連性を明らかにすることを目的とする。特に、自閉スペクトラム症では血中のオキシトシン濃度が低下していることが知られており、オキシトシン経鼻剤が自閉スペクトラム症の中核症状である社会的コミュニケーションの障害やその脳基盤である内側前頭前野の機能不全を改善するという知見が得られはじめている。一方で、オキシトシンは痛みのメカニズムにも影響することが示唆されており、最近の系統的レビューでは鎮痛薬としての可能性に関する包括的な知 見が示されている。そこで、本研究では特に慢性痛患者の自閉スペクトラム傾向とオキシトシンとの関連性を検証することを目的とする。 初年度にあたる2021年度は、まず慢性痛を主訴として佐賀大学医学部附属病院精神神経科、ペインクリニック、整形外科、神経内科および歯科口腔外科を新たに受診した慢性痛患者に本研究への参加協力のリクルートを実施したが、十分な参加協力者数が得られなかった。 そのため、2022年度は、リクルートの対象を新患に限定せずに既に一定の治療関係が構築されている再来患者にもリクルート対象者の範囲を拡大して、リクルートを実施することとした。さらには、慢性痛を主訴として当院で通院加療を行っている再来患者の中には全身性自己免疫疾患(いわゆる膠原病)や関節リウマチを原疾患とする症例も少なくないことから、当院精神神経科、ペインクリニック、整形外科、神経内科および歯科口腔外科に加え、膠原病・リウマチ内科にもリクルートの協力を要請することで参加協力者の獲得を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
参加協力者を確保しつつ、サンプル採集、データ収集を実施しているが、まだその解析や学会発表にまでは至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
参加協力者のリクルート、サンプル採集・データ収集を行いながら、現時点で集まっているデータでの予備的分析を開始し、現段階での成果をまずは国内学会で発表する。その上で、サンプル数を充実させながら、更に解析を進めていき、最終的には国際学会での発表と論文化を目指す。
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Causes of Carryover |
研究対象のリクルート方法が不十分で参加協力者の獲得が芳しくなかったため、研究全体が計画よりも遅れており、学会発表等も行えなかったことで未使用額が生じた。 データの解析、学会発表、論文執筆を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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