2022 Fiscal Year Annual Research Report
IANB device for anyone to success to the inferior alveolar nerve block safely and securely
Project/Area Number |
21K16552
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
野口 智康 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (10822398)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経ブロック |
Outline of Annual Research Achievements |
下歯槽神経ブロックの成功率は10から90%と報告によりさまざまである。これは術者の技術的要因や患者の解剖学的要因によるものであると考えられる。下歯槽神経ブロックはメルクマールを参考にしているものの、炎症や開口障害、性別によってはその予測は難しい。この様々な成功率や局所麻酔中毒や神経損傷といった合併症を避けようとし、使用しない歯科医師も存在する。そこで本研究は誰でも安全、安心、確実な下歯槽神経ブロックのガイドである下歯槽神経ブロックデバイスを作成することを目的とした。まず、頭蓋骨モデルに対する装置を3つ作成し、その精度を検証することで、臨床への安全性を検証した。具体的には頭蓋骨モデルの下顎骨をCT撮影してDICOMデータ化し、歯列を光学スキャナーでSTLデータ化した。それらをCADソフトウェア上でマッチングし、下歯槽神経デバイスを設計し、3Dプリンタで造形した。頭蓋骨模型にIANBデバイスを装着し、ストッパーまで到達した時点でCT撮影を行い、デジタル計測した。平均して0.61mmの誤差であったことから、臨床応用の際には5mmの安全域を設定し、デバイスを設計することとした。臨床では5人の被験者に効果の検証の同意を得ることができた。上記のように下歯槽神経デバイスを作成し、1%リドカイン1mlで10分間観察した。ほとんどの被験者で300秒後にベースラインと有意差を認め、下歯槽神経ブロックの成功とみなされた。成功率は本研究の被験者では100%であり、有害事象の発生率は0%であった。これまでの実績は第49回歯科麻酔学会総会、第50回歯科麻酔学会総会、第27回口腔顔面痛学会総会で報告してきた。現在は論文を執筆し、投稿中である。また今後の展望としては、あらゆる薬剤でどのような変化が起きるかを検証し、臨床で使用する際にどの処置にどの局所麻酔薬が最適か検証することを目的に尽力していきたい。
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