2023 Fiscal Year Research-status Report
急性肝不全の病態解明と遺伝子治療を含めた新規創薬イノベーション
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21K16571
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 卓 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50750345)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | CLPモデル / 敗血症性肝障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、免疫性急性肝炎モデルとして盲腸結紮穿孔 + Propionibacterium acnesモデル、Propionibacterium acnes死菌+LPS投与モデルの作成を試みたが、いずれもモデルが安定せず、肝障害・肝壊死・致死率の強弱がばらつき、頻回のモデル検証を行う事となった。 安定した敗血症性急性肝損傷・肝不全モデルの作成のため、新たなモデルとして生菌(黄色ブドウ球菌、大腸菌)の静注モデルの検証を行った。培養生菌の定量混濁溶液とPCRに因る菌の定量検証方法の確立、新規モデル作成に対するプロトコル作成を中心に進めた。生菌静注モデルはまだ、安定した用量設定が確立できず、翌年への持ち越す計画となった。
一方、2022~2023年度に行ったトランスクリプトーム解析にて、ConcanavalinAモデル、CCL4モデル、アセトアミノフェンモデルでの複数のモデルでの解析を統合し、細胞死シグナルが発現し始めるタイミングでのデータを元に、発遺伝子を比較し、肝障害早期に共通して発現変動する遺伝子を36個見いだした。それらの因子の内、肝内発現かつ急性肝不全における免疫応答の中心的役割を担う、肝常在性マクロファージ(Kupffer 細胞)に特異的に発現する遺伝子を中心に探索し、次年度に定量PCRでの確認を行う予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初想定していたモデル作成が、安定せず、頻回のモデル再現検証が必要となり、それでもモデルが安定して再現できないため、同様の免疫応答を示す他の動物モデルを新規に作成、検証することとなった為、計画の進捗に遅れを生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は敗血症性急性肝損傷・肝不全モデルにおける、生菌静注モデルを引き続き検証を行うとともに、過去に作成した3モデルでの遺伝子解析を元に、引き続き病態制御因子の同定・検証を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初計画していたモデルが安定せず、新規モデルの作成が中心となり、その結果当初2023年度に3モデルのトランスクリプトーム解析を計画していたが、トランスクリプトーム解析が1モデル分しか行えず、端数分として残額が生じた。本年度予算の残額を、次年度繰り越し調達予定とした。
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