2021 Fiscal Year Research-status Report
敗血症関連脳障害に対する早期運動療法の可能性ー海馬シナプス応答解析を中心に
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21K16583
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
干野 晃嗣 北海道大学, 大学病院, 助教 (40802434)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 敗血症関連脳症 / 敗血症 / 海馬 / シナプス可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
盲腸結紮穿孔(cecal ligation and puncture: CLP)により敗血症モデルマウスを作成し、敗血症1週間後に海馬急性スライスを作成し、CA1領域におけるシナプス可塑性(long term potentiation: LTP)を測定した。過去に我々は、敗血症24時間後の海馬LTPが低下していることを報告していたが、1週間後でも同様に、CLP群ではsham群と比較し、有意にLTP(特にlate-phase LTP)が低下していることが示された。また、敗血症1週間後の海馬BDNFをELISA法を用いて測定したところ、CLP群で有意に低下していた。 次に、敗血症翌日より、トレッドミルを用いた運動療法を毎日30分間行った。運動強度の設定のため、過去の文献を検索したところ、マウスでは15m/min程度が好気性運動の限界とされており、敗血症であることを鑑みて、その半分の強度である8m/minで実験を開始した。運動療法を行い、敗血症1週間後の海馬BDNFを測定したところ、CLP+exercise群では海馬BDNFの有意な改善が見られた。CLP+exercise群では、CLP+sedentary群(運動はさせずにトレッドミルの上に置くだけの群)と比較し、有意に1週間後の死亡率が改善していることが示された。また、敗血症に伴う神経炎症では、マウスの行動様式に大きな影響を与えることが過去に報告されている。まずは、敗血症1週間後の行動変化を調べるため、オープンフィールド試験を行った。敗血症1週間後では、sham群と比較し、有意に活動性が低下していることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
敗血症1週間後における海馬LTPの低下や海馬BDNFの低下が、過去の報告と同様に再現することができた。また、運動療法による海馬BDNFの改善も示せたため、順調に実験が進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
海馬BDNFが上昇する運動強度を設定することができたため、今後は当初の予定通り、海馬シナプス可塑性が改善するかの検討を行う。また、行動学試験においても運動療法により活動性の改善が見られるか検討を行う。
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Causes of Carryover |
ほぼ予定通りに研究費を消化できたが、次年度使用額に関してはマウス代として次年度すぐに使用する計画である。
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