2022 Fiscal Year Research-status Report
Verification of therapeutic effects by amniotic fluid stem cell sheet for rat myelomeningocele model.
Project/Area Number |
21K16599
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山崎 和義 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (10883275)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 羊水幹細胞 / 細胞シート |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット脊髄髄膜瘤モデルに対して、同種羊水幹細胞シート移植の治療効果の検証を目的として、羊水幹細胞シートの作成と移植手技を下記方法で確立した。妊娠14日のSDラットを、安楽死後に開腹して子宮内の胎仔周囲の羊水を吸引・採取し、遠心分離後に幹細胞培養を継続し、複数回継代が問題無く可能であることを確認した。 継代後の幹細胞を、温度応答性の培養皿に播種してアスコルビン酸入りの培養液で培養継続すると、一定の確率で均一にコンフルエントになることが確認され、培養皿を常温環境に移すことで、細胞シートが剥離されることが実証できた。 妊娠18日目のラットを安楽死後に、開腹して胎仔を摘出し、手術用顕微鏡を用いて胎仔の背中に幹細胞シートを破損することなく貼付し、10-0ナイロン糸で胎仔組織に縫合固定実験を行い、シートの移植が手技的に可能であることを確認した。さらに、妊娠18日目のラットを全身麻酔下に小開腹し、子宮を小切開後に胎仔の背中に幹細胞シートを貼付し、10-0ナイロン糸でシートを貼付・固定することで移植し、子宮を縫合後、母体は生存可能で、実験の手術手技が無理なく可能であることが確認できた。 妊娠ラット手術後に十分な管理が可能な環境が整った段階で、妊娠ラットにレチノイン酸を経口投与して胎児脊髄髄膜瘤モデルが作成可能かを確認後、脊髄髄膜瘤モデルの幹細胞シート移植の本実験に移行し、移植後の組織評価と、出産が可能な場合は出生後の運動機能評価なども検討し、治療効果を確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
羊水幹細胞シートの作成・胎仔への移植手技の確立は可能であったが、妊娠ラットの管理・胎児手術後の観察に要するまとまった時間と人手の確保が困難であり、実験計画が予定通り進捗できずに終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
まとまった時間の確保が可能になり次第、既に確立されているラット胎児脊髄髄膜瘤モデルの作成を行い、羊水幹細胞シート移植実験を順次行っていく予定である。 胎児手術後、胎仔の組織学的評価を行い、治療効果について検証する。 手術後、出産が可能かを確認し、出産が可能であれば一定期間新生児の観察継続を行い、成長した段階で組織学的評価と後肢運動機能などを評価して治療効果検証を行う。
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Causes of Carryover |
コロナによる研究所閉鎖と研究以外の業務変更と臨時業務が続いたため、次年度使用額が生じた。 ラット胎児脊髄髄膜瘤モデルの作成と、羊水幹細胞シート移植実験、組織学的評価に必要な実験費用と器具、研究に必要な情報収集の学会参加費用や解析ソフトなどに使用予定である。
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