2021 Fiscal Year Research-status Report
mRNA医薬による反応性アストロサイトの機能変換を標的とする脳梗塞後遺症再生治療
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21K16603
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
福島 雄大 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (40837895)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / mRNA医薬 / 神経再生 / アストロサイト / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
脳梗塞による神経学的後遺症に対する有効な治療法はリハビリテーションのみであるが、その効率は時間の経過とともに低下する。本研究では、脳梗塞発症後早期に発現している遺伝子を、mRNA医薬により脳梗塞慢性期に強制発現させることで、神経機能再生治療を臨床応用することを目指している。これまでの研究で、齧歯類脳梗塞モデルにおける慢性期リハビリテーション効率低下に、astrocyteが強く関与していることを示唆するデータが得られており、astrocyteの遺伝子発現の経時変化に着目した遺伝子解析を進めている。 一般的に用いられているastrocyteの単離や培養法は、生後数日の齧歯類個体由来の細胞を用いることが多い。しかし、自動分散破砕装置・磁気細胞分離技術を用いることで、成体由来のastrocyteの単離や、本サンプル中のRNA精製が可能となり、脳梗塞を対象疾患とする研究において、より適切なサンプルを用いた解析が見込まれる。そこで本年度は、この自動分散破砕装置・磁気細胞分離技術を用いた、成体齧歯類脳からのastrocyte単離と、発現遺伝子解析法、およびin vitroモデルの確立に着手した。RT-PCR法による特異的遺伝子発現解析、及びflow cytoetry法での特異的抗体標識解析により、成体個体由来のastrocyteが単離されていることを確認し、目的の細胞サンプルを得ることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021・2022年度の研究で、成体齧歯類個体由来astrcoteの単離法の確立と、これを用いた解析、治療遺伝子発現の選定を予定したが、概ね当初の予定通りの進捗が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の結果を踏まえ、脳梗塞急性期、慢性期のastrocyte phenotype解析、さらには治療遺伝子の選定のためのin vitroモデルでの実験を進めることを予定している。
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Causes of Carryover |
2021年度、2022年度の研究を、概ね2年度を通して行うことを予定しており、19,346円の残額が生じたが、引き続き、2022年度研究に用いることを予定している。
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