2023 Fiscal Year Annual Research Report
脳動脈瘤の発生と破裂に対する腸内細菌叢の老化が与える影響の解明と新規治療法の探索
Project/Area Number |
21K16608
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
角野 喜則 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (60770675)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | くも膜下出血 / 早期脳損傷 / 腸内細菌叢 / 未破裂脳動脈瘤 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である2023年度は、老年マウス(18-20ヶ月齢)に対して経口で抗生物質の投与を行った上で若年マウスからの便移植を行うことで、腸内細菌叢を変化させた、便移植老年マウスを作成した。その便移植老年マウスに、これまで作成したモデルと同様の前視交叉血液注入によるくも膜下出血を導入し、その致死率と早期脳損傷についての変化の評価を行った。腸内細菌叢の解析を16s rRNAで行ったところ、老年マウスと若年マウスでは腸内細菌叢の分布がかなり異なっていた。しかし、便移植後の老年マウスにおける腸内細菌叢は、もとの老年マウスのものより若年マウスのものに近似した分布に変化していることがこの便移植実験で確認することができた。またくも膜下出血導入後の24時間以内の致死率は便移植前後で低下し、早期脳損傷の程度についても軽減していることが免疫染色、FACSなどの結果で判明した。これらの結果については、昨年度までの実験データと合わせて整理し発表を予定しており、また論文を執筆中である。 一方で、並行して行っていた脳動脈瘤の破裂に関する臨床研究では、外来通院をしている未破裂動脈瘤患者における便検体を回収し、また入院加療中の脳動脈瘤破裂が原因のくも膜下出血患者の便検体回収を完了し、腸内細菌叢の比較解析を行った。同じ患者の血液検体から得られた一塩基多型(SNP)情報、またポリジェニックリスクスコアも含めた検討を現在行っており、こちらについても結果が揃い次第、論文化を進めていく予定である。
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[Journal Article] Association of Gut Microbiome with Early Brain Injury After Subarachnoid Hemorrhage: an Experimental Study2024
Author(s)
S Kawabata, M Takagaki, H Nakamura, T Nishida, E Terada, Y Kadono, N Izutsu, T Takenaka, Y Matsui, S Yamada, T Fukuda, R Nakagawa, H Kishima
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Journal Title
Translational Stroke Research
Volume: 15
Pages: 87-100
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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